【苗から育てる一年草】ペチュニア|北海道では種まきより苗購入が合理的

スポンサーリンク
イントロダクション用デザイン画像 ペチュニアは、北海道では初夏から秋まで長く咲き続ける一年草で、近年、定番になってきた花のひとつです。種まきも可能ですが、北海道の気候では、種から育てるのは難しい側面もあります。この記事では、管理人の経験も交えながら、「苗から育てる合理性」「いつ、どのように育てるのがベストなのか」をご紹介します。
スポンサーリンク

北海道でペチュニアを種から育てるのが難しい理由

カラフルで繊細な花が魅力のペチュニア。自然にこんもりまとまって可愛いです。※管理人撮影(自宅の庭)

一般的にペチュニアは「種からでも育てやすい一年草」として紹介されることが多いですが、実は初心者には意外と難易度が高い面もあります。

マリーゴールドやサルビアなど、多くの苗は、発芽さえしてしまえば、その後に多少寒くても問題なく生育します。
ペチュニアも、発芽そのものは比較的容易ですが、一般的な苗と比べて寒さに対する許容度がかなり低く、発芽後は15℃〜25℃程度の高温管理が必要です。

また、ペチュニアは太陽が大好きな植物です。
気温だけでなく、特に北海道ではしっかり日に当てることができないと、幼苗は徒長や病気を起こしやすくなります。
よく育った苗でも、花付きが悪かったり、元気がないなど、うまく育たないこともあります。

ペチュニアは、本州でも5月以降の種まきが基本とされるほど、気温に気を使う植物です。
北海道では、気温や日照などの発芽・生育条件が揃うのは6月以降。
そこから種をまいていては、開花する頃にはもう秋が近く、花を十分に楽しむ期間が短くなってしまいます。
室内での早めの種まきも可能ですが、やはり、発芽してもその後の気温の維持や日照の問題があります。
そのため管理人は無理をせず、苗を購入したり、町内活動で配布された苗を育てています。

ペチュニアを苗から育てるメリットと植え付け時期

ペチュニアは苗から育てる方が難易度が低くなります。また、寒さにとても弱い植物のため、苗を適期に植え付けることでその後の育成も安定します。

苗から育てるメリット

🌼 すでに生育が進んでいるため、すぐに植え付け可能
🌼 徒長・病気・温度管理など、リスクの回避ができる
🌼 実際に咲いている株を見て色や形を選べる
🌼 購入後の管理が比較的シンプル(開花株は強い)

苗の購入と植え付け時期

🌼 ホームセンターや園芸店では、4月下旬頃から流通(北海道の場合)
🌼 北海道での定植適期:5月中旬~6月中旬(霜とリラ冷えが完全に終わる頃)
🌼 植え付け適温:日中の気温が15℃以上、最低気温が10℃以上になる頃が目安

苗は4月下旬に販売されているものの、管理人の住む道東では、5月中旬以降の植え付けが適しています。
一般的なペチュニアの耐寒温度は0℃〜5℃、定植可能ラインは、約10℃〜12℃とされていますが、昼夜の温度差が激しい北海道では、この気温ベースで定植するのは、やや早いと感じています。

無理に早く植え付けると株が弱ってしまい、その後に気温が上昇しても、生育が鈍くなったり、最悪の場合、回復不能になることがあります。

管理人は早めに苗を購入した場合、天気の良い暖かい日の日中は屋外に出し、夜間や雨の日は玄関フード内に取り込んで、定植までポットのまま管理しています。

植え付け前のペチュニアの苗。玄関フードの床がコンクリートのため、木製パネルを敷いて冷えを和らげています。玄関フードは、こうした一時的な植物の置き場としても重宝します。※管理人撮影(自宅)

2025年は暖かくなるのが遅く、毎年ゴールデンウィーク頃に開花する桜も、今年は5月10日に咲き始めました。こんな年は特に、十分に暖かくなる5月下旬~6月中旬まで待ってから、ペチュニアの苗を植え付けるようにしています。

比較的寒さに強いペチュニアの品種

一般的な「ペチュニア」よりも、少し寒さに強い改良品種を紹介しますね。

比較的寒さに強い品種は、気温が低い時期から植え付けられるため、長く楽しめるのが大きな魅力です。一足早く彩りを加えたい方はぜひ、検討してみてくださいね。
ちなみに、寒さに強いと言っても、どれも北海道では一年草扱いとなります。

  • さくらさくら
    • 定植可能ライン:約5〜6℃
    • 価格目安:1株 約550~680円(税込)約5〜6℃
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ペチュニア さくらさくら
価格:600円(税込、送料別) (2025/5/31時点)


  • サフィニア フリル
    • 定植可能ライン(目安):約8〜10℃
    • 価格目安:1株 約498~698円(税込)

この他にも、スーパーチュニアシリーズ、リトルチュチュシリーズや、シフォンシリーズなどもあります。

🌱 一般的なペチュニアに比べて価格はやや高めですが、人とは少し違う品種を楽しみたい方や、春先のまだ肌寒い時期から花を楽しみたい方には、こうした寒さに強いシリーズは特におすすめです。

北海道でペチュニアを育てた感想|失敗と学び

私が北海道に引っ越して間もない頃、主人が「もう花、売ってたよ」と、4月下旬にペチュニアの苗を買ってきてくれました。

当時は、北海道の気温をよく把握しておらず、本州でのガーデニング感覚が抜けていなかったこともあり、「ペチュニアには寒いかな~」と思いながらも、「もう苗が売っているなら大丈夫でしょう」と喜んで植え付けたのですが――

ゴールデンウィークに霜が下りて、苗はダメになってしまいました。まさかこの時期に霜が下りるなんて、本州育ちの私は、想像もしていませんでした。

霜はご法度ですが、ペチュニアの耐寒温度は、品種によって差はあるものの、一般的なペチュニアの耐寒温度は0℃〜5℃、定植可能ラインは、約10℃〜12℃とされています。
しかし、昼夜の寒暖差が大きい北海道では、たとえ日中に15℃あっても暖かさが十分とはいえず、加えて夜間の冷え込みによって株が弱ってしまったり、最悪の場合、回復不能な致命的ダメージを受けることもあります。

鉢植えなら夜間は室内に取り込むこともできますが、地植えの場合は、昼間の気温だけではリカバーしきれない場合もあります。

町内活動でも毎年ペチュニアを植え付けますが、このイベントは6月中旬~下旬に行われます。ちょうど、霜もリラ冷えも完全になくなる頃です。
それでも、気温がなかなか上がらなかった年に、ペチュニアの生育があまり良くなかったという話も聞いています。
それほどペチュニアにとって日当りや気温は、特に北海道では重要なんですね。

町内活動でいただいたペチュニアの花たち。太陽を浴びて調子良さそうです。※管理人撮影(自宅の庭)

管理人は、本州出身なので、どうしても「6月中旬は遅すぎる」と感じてしまいますが、「ペチュニアは安全な時期に植え付けることが何より大切だ」と、この経験を通して学びました。

そんな繊細なペチュニアですが、北海道でもこぼれ種から出ることがあります。アスファルトの隙間から元気に咲いていたことがありました。
舗装のすき間は地温が高いため、発芽の条件が揃ったのでしょうね。それにしても、寒さに弱いペチュニアの種が越冬できたというのは驚きです。

北海道で、ペチュニアを種から育てるための試行錯誤をするのも、面白い試みかもしれません。
けれども管理人は、植物にとっていつもベストな方法で生育することを心がけています。
それが、植物にとってもガーデナーにとっても最適だからです。

だから私は、無理のない選択で、毎年ペチュニアの花を楽しむようにしています。

👉 苗から育てる一年草は、「北海道で育つ一年草|苗から育てる花」にまとめています。

👉 北海道で育つ一年草は「一年草」のカテゴリーにまとめています。こちらもぜひ参考にしてみてください。