
耐寒性多肉植物とは
1. 耐寒性多肉植物の魅力2. 耐寒性多肉植物の特徴
3. 耐寒性多肉植物がおすすめな理由

霜や氷点下もOK!「耐寒性多肉植物」は、寒冷地ガーデニングの心強い味方です。
耐寒性多肉植物の魅力
一般的に多肉植物は、温暖な地域を原産とし、寒さに弱い性質を持っています。しかし、その中でも一部の種類は寒冷地や高山地帯を原産としており、寒さに強い特性を備えています。
冬の厳しい寒さに耐え、春から秋まで季節ごとに移り変わる葉色や、子株が増える様子を楽しめるのも魅力です。特別な手間がかからず、ガーデニング初心者や忙しい方も気軽に育てられます。
そんな「耐寒性多肉植物」は、北海道のような寒冷地の屋外でしっかり根を張る頼もしくも貴重な存在であり、管理人が自信を持っておすすめする植物です。
耐寒性多肉植物の特徴
- 寒さに強い
- 高山地帯や寒冷地を原産とする種類が多く、氷点下の気温や霜、雪に対応できる耐寒性があります。
- 特にセダム属やセンペルビブム属、デロスペルマ属の中には、北海道のような寒冷地でも屋外で問題なく育てられる品種が存在します。
- 病害虫に強い
- 多肉植物は厚い葉や茎を持ち、病害虫が侵入しにくい構造をしています。
- 乾燥を好む性質があるため、湿気が原因で発生する病害虫にも比較的強いとされています。
- 多湿に弱い
- 多湿な環境では根腐れや冬場の凍結を引き起こす原因となります。
- 排水性の良い土を使用し、湿気がこもらないようにすることが重要です。
耐寒性多肉植物がおすすめな理由
- 北海道でも育てられる希少性
- 多くの多肉植物は寒さに弱く、寒冷地では冬は室内管理が一般的ですが、耐寒性多肉植物は、冬も屋外でも育てられる貴重な存在です。
- 寒冷地では、庭に植えられる植物の選択肢が限られるため、耐寒性多肉植物の存在は庭づくりの貴重なバリエーションとなります。
- 手入れが簡単
- 霜や低温に耐えるため、特別な防寒対策が不要です。春には自動的に成長を再開します。
- 多肉植物ならではの乾燥に強い性質も持っているため、水やりの頻度が少なくて済みます。
- 頻繁な手入れが不要で、初心者にも育てやすいです。
- 簡単に増やせる楽しさ
- 葉を土に置いて発根を待つ「葉挿し」や、成長した株を分ける「株分け」で簡単に増やすことができます。
- 増やした多肉植物を新たな場所に植えたり、寄せ植えを楽しんだり、家族や友人とシェアすることで、ガーデニングの楽しさが広がります。
北海道で越冬できる耐寒性多肉植物
1. セダム属 (Sedum)2. センペルビブム属 (Sempervivum)
3. デロスペルマ属 (Delosperma)
4. PVPに関する注意点

耐寒性が高く、寒冷地でも安心して屋外で育てられる耐寒性多肉植物を紹介します。
ここでは、耐寒性多肉植物の中でも、特に耐寒性が高く、おおむね-15℃から-25℃程度の低温に耐えることができる品種をいくつかご紹介します。寒冷地という限られた環境でも、個性豊かなガーデニングをぜひ楽しんでみましょう♪
セダム属 (Sedum)
タケシマキリンソウ・アトランティス (PVP)

- 特徴
- 2020年に日本で品種登録された比較的新しい品種で、ガーデニング愛好家の間で注目を集めています。
- 葉の縁がクリーム色、中心が緑色の美しい斑入り模様が特徴的で、季節によっては葉が黄色がかるなどの変化も楽しめます。
- 国際的な園芸ショーでの受賞歴もあり、その美しさと育てやすさが評価されています。
- おすすめの用途
- ロックガーデンやグラウンドカバーとして活用できます。
- 独特の葉模様は、寄せ植えや庭のデザインにも映えます。
コーカサスキリンソウ・トリカラー

- 特徴
- 白、ピンク、緑の三色が混ざり合った美しい葉が特徴です。
- 季節によって葉の色が微妙に変化し、観賞価値が高い品種です。
- おすすめの用途
- 寄せ植えやボーダープランツとしても使いやすく、デザイン性を引き立てます。
- カラフルな葉模様は、庭のアクセントとして最適です。
アクレ・エレガンス

- 特徴
- 小さな葉が密集してマット状に広がる、コンパクトな品種です。
- 明るい緑色の葉が特徴で、庭全体を柔らかい雰囲気にしてくれます。
- おすすめの用途
- グラウンドカバーやロックガーデンに最適な品種です。
- 他の植物との組み合わせでも調和しやすく、寄せ植えにもおすすめです。
センペルビブム属 (Sempervivum)
ゴールド ナゲット (PVP)

- 特徴
- 季節によって葉の色が変化し、特に秋には鮮やかなゴールドカラーになるのが特徴です。
- ロゼット型の葉が美しく、観賞価値が高い品種です。
- おすすめの用途
- ボーダーやロックガーデンに植えることで、季節感を引き立てます。
- 色の変化を楽しめるため、庭のアクセントや寄せ植えに最適です。
ユートピア
- 特徴
- 季節や日光の当たり具合によって、赤みがかった葉色が濃淡を変えるのが大きな特徴です。
- 春から秋にかけての葉色の変化が楽しめ、ロゼット型の形状も美しく、観賞価値が非常に高い品種です。
- おすすめの用途
- ボーダーガーデンやロックガーデンに植えることで、デザインに動きを加えることができます。
- 季節による色の変化を楽しめるため、庭のアクセントや寄せ植えに最適です。
グリーン ヴァウト

- 特徴
- 明るい緑色のロゼット型の葉が特徴で、シンプルながら存在感のある品種です。
- 丈夫で育てやすく、初心者にもおすすめです。
- おすすめの用途
- 明るい緑色が庭に爽やかさを与えるため、寄せ植えやボーダーガーデンに最適です。
- ロックガーデンやグラウンドカバーとしても活躍し、他の植物とも調和しやすいです。
オデッティー

- 特徴
- コンパクトで葉の形が特徴的な品種です。
- 柔らかな緑色が基調で、庭や寄せ植えの引き締めやアクセントに最適です。
- おすすめの用途
- ロックガーデンやボーダープランツとしても活躍し、デザインの幅を広げます。
- コンパクトな形状を活かして、寄せ植えや小さなスペースのデザインに最適です。
デロスペルマ属 (Delosperma)
デロスペルマ属には、「耐寒性マツバギク」と呼ばれる種類が多く含まれています。その中でも、以下の品種は、耐寒性が-25℃~-30℃までと非常に高くなっており寒冷地でも育てやすいです。
デロスペルマ・クーパー

- 特徴:紫色の美しい花を咲かせる耐寒性マツバギク。一般的なマツバギクと似ていますが、寒冷地でも越冬可能な点が大きな魅力です。
- 花期:7月上旬~9月下旬
- 用途:
- グラウンドカバーやロックガーデンに最適で、庭のアクセントとして活躍します。
- 寄せ植えやボーダーガーデンにも取り入れやすく、紫色の花が空間を華やかに彩ります。
- 備考:「クーパー」は英語風の発音で、園芸分野では「クーペリ」とも呼ばれることがあります。
- 流通名:「レイコウ(麗晃)」や「耐寒マツバギク」「花嵐山」など。
- 改良品種
- 「砂漠の宝石」や「京花美」:花色のバリエーションを増やしたもの
- 姫マツバギク:小型化され、デロスペルマ属の持つ這い性を弱くしたもの、花色のバリエーションも豊富
デロスペルマ・テーブルマウンテン

- 特徴:濃い紫がかったマゼンタピンクの花を咲かせる品種。
- 花期:7月上旬~9月下旬
- 用途
- グラウンドカバーやロックガーデンに最適で、庭のアクセントとしても活躍します。
- 寄せ植えやボーダーガーデンにも取り入れやすく、深い花色が空間に落ち着きとシックな雰囲気を加えます。
- 特にモダンな庭のデザインにもよく調和します。
デロスペルマ・ルミナスレンジャー
- 特徴:丈夫な性質で、グラウンドカバーとしても活躍します。
- 花期:6月下旬~9月中旬
- 花色:黄色、ピンク、白の3色があり、それぞれ庭を華やかに彩ります。
- 用途
- グラウンドカバーやロックガーデンに最適で、寄せ植えやボーダーガーデンにも取り入れやすいです。
- どの色も空間を華やかに彩り、小道の縁取りとしてもおすすめです。
デロスペルマ・ファイヤースピナー
- 特徴:外側がオレンジ色、中心が明るい赤色の花を咲かせる、目を引く品種です。
- 花期:6月下旬~9月中旬
- 用途
- グラウンドカバーやロックガーデンに最適で、庭全体に鮮やかな彩りを加えます。
- 寄せ植えやボーダーガーデンでは、鮮やかなオレンジと赤の花色がアクセントとして映えます。
- 明るい色合いは、小道の縁取りや庭のフォーカルポイントとしても活用できます。
PVPに関する注意点
植物全般において、一部の品種名には「PVP」と記載されています。これは「Plant Variety Protection(品種登録)」を意味し、その品種が登録された保護品種であることを示しています。
- PVP登録品種は、知的財産として保護されており、許可なく販売を行うことや、販売を目的とした繁殖、譲渡等が法律で制限されています。
- ただし、個人が自分の楽しみのために繁殖(自家用増殖)することは認められています。
- PVPと記載された品種を購入する際は、必ず正規のルートから購入し、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリやオークションサイトでの販売や譲渡、購入は行わないようにしてください。
- これらの行為は、知的財産権の侵害を助長する可能性があり、トラブルにつながる場合があります。
- PVPと記載された品種を育てる際には個人の楽しみの範囲にとどめ、ルールを守った利用を心がけましょう。
屋外での育て方と越冬のコツ
1. 植え付け場所の選び方2. 土の準備
3. 水やりのポイント
4. 越冬のコツ
5. 肥料の与え方

耐寒性多肉植物は、シンプルなお手入れで寒冷地でも元気に育てられます!
植え付け場所の選び方
- 日当たりが良い場所を選びましょう。耐寒性多肉植物は、日光をしっかり浴びることで健康に育ちます。
- 水はけの良い土壌が必須です。特に寒冷地では冬の湿気が根腐れの原因になるため、排水性を重視しましょう。
- 風通しの良い場所を選ぶことで、カビや病気を防ぎます。
土の準備
- 多肉植物は乾燥に強い一方で湿気に弱いため、排水性の高い土を使用することが最も重要です。
- 多肉植物専用の土や、庭の土に軽石やパーライトを混ぜて、余分な水分を素早く排出できる環境を整えることで、根腐れや冬の凍結によるダメージを防ぐことができます。
水やりのポイント
- 夏:完全に乾いてからたっぷり水を与える「乾湿サイクル」を守りましょう。
- 秋:寒冷地では植物が休眠状態に入るため、基本的に水やりは不要です。
越冬のコツ
- 地植えの場合
- 耐寒性の高い品種であれば、特別な防寒対策は不要です。
- 根元が蒸れないよう、積雪前までに落ち葉などを取り除き、通気を確保してください。
- 鉢植えの場合
- 鉢植えでも耐寒性の高い品種であれば、防寒対策は特に必要ありません。
- 鉢植えは地植えに比べて冷えやすいため、強風が直接当たらない場所に置くことで、負担を軽減できます。
肥料の与え方
- 初夏から晩夏にかけて、植物の成長が活発になる時期です。薄めた多肉植物用の液体肥料を1~2か月に1回程度与えます。
- 秋から春にかけて、寒冷地では植物が休眠状態に入ります。この期間は肥料を与える必要はありません。
Q&A|寒冷地の多肉植物に関するよくある質問

「耐寒性多肉植物」に関する「よくある質問と解決策」を以下にまとめました。
Q1. 寒冷地でのおすすめの多肉植物の種類は?
A. はい、寒冷地でも育てられる「耐寒性多肉植物」があります。特にセダム属、センペルビブム属、デロスペルマ属などの種類は、北海道のような寒冷地でも屋外で越冬可能な品種が多数あります。👉詳しくは、[北海道で越冬できる耐寒性多肉植物]で解説しています。
Q2. 寒冷地で多肉植物を育てる際に気を付けるポイントは?
A. 冬の湿気や霜による根腐れを防ぐため、排水性の良い土を使用することが重要です。また、日当たりと風通しの良い場所を選ぶことで、健康に育てられます。👉詳しくは、[屋外での育て方と越冬のコツ]で解説しています。
Q3.耐寒性多肉植物は雪の下でも育ちますか?
A. はい、雪が植物を保護する役割を果たし、耐寒性多肉植物は雪の下で休眠状態を保ちながら春を迎えます。ただし、根元が蒸れないよう、秋の間に落ち葉や枯れた植物を取り除いておくことが大切です。👉詳しくは、[越冬のコツ]で解説しています。
Q4. 耐寒性多肉植物の魅力を教えてください。
A. 耐寒性多肉植物の魅力は、寒冷地でも屋外で育てられる強さと、手入れの簡単さにあります。また、色や形が豊富でデザイン性が高く、ガーデニングの幅を広げてくれる点も魅力です。季節による葉色の変化や、美しい花を楽しめる品種も多く、寒冷地の庭づくりに欠かせない存在です。👉詳しくは、[耐寒性多肉植物とは]で解説しています。
まとめ|寒冷地の屋外で育てられる耐寒性多肉植物
耐寒性多肉植物は、寒冷地の厳しい冬でも屋外で育てられる数少ない植物の一つです。雪や氷点下を超えても翌春に鮮やかな葉や花を見せてくれる姿に感動を覚えるでしょう。そして、その強さと美しさを兼ね備えた特性は、ガーデニングの可能性を広げてくれます。

寒冷地ガーデニングの新たな選択肢として、耐寒性多肉植物を取り入れ、庭や鉢植えでその魅力を存分に楽しんでみませんか?