【種から育てる宿根草】ルピナス|北海道の庭づくりに欠かせない!彩り豊かな定番植物!特徴とガーデン活用法

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イントロダクション用デザイン画像 北海道の庭に欠かせない宿根草、ルピナス。鮮やかな花穂が立ち上がる姿は遠くからでも人目を引き、豪華で見栄えのする花は庭のメインにもアクセントにも適しています。丈夫で育てやすく、冷涼な気候では夏越しが容易で、冬の寒さにも強く、北海道にぴったりです。この記事では、ルピナスの魅力や育て方、庭での活かし方について詳しくご紹介します。
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ルピナスの魅力|力強く庭を彩る存在感

1. 多彩な花色
2. 美しい葉
3. 風に強い
4. 病害虫に強い

ルピナスは、花も葉も美しく、病害虫にも強い丈夫な植物です。

多彩な花色

裏庭に咲く紫色とピンク色のルピナス。毎年元気な姿を見せてくれます。※管理人撮影(自宅の庭)

🍃 ルピナスは、鮮やかな色彩が魅力の宿根草で、青、ピンク、紫、黄色など、多彩な花色が楽しめます。花穂が長く、立ち上がるように咲く姿は存在感があり、ガーデンにダイナミックな印象を与えます。
🍃 早春から夏にかけて長期間にわたり花を楽しめるのも特徴です。秋にも咲くことがあり、庭に彩りと変化を加える理想的な植物です。

美しい葉

🍃 ルピナスは、色鮮やかな花だけでなく、美しい葉も魅力のひとつです。細かく裂けた掌状複葉が特徴で、花が咲いていない時期でもガーデンに緑のアクセントを加えます。

日向のルピナスの葉(ラッセル系ルピナス)※管理人撮影(自宅の庭)

🍃 明るい場所では葉の色が鮮やかになり、光沢感が出やすくなります。

半日陰のルピナスの葉(ラッセル系ルピナス)※管理人撮影(自宅の庭)

🍃 半日陰では葉色がやや淡くなり、やわらかい印象になります。

雨露の付いたルピナスの葉(ラッセル系ルピナス)※管理人撮影(自宅の庭)

🍃 ルピナスの葉は撥水性が高く、雨が降ると水滴が丸く乗ります。朝露や雨の後には、美しく輝く様子が楽しめます。

風に強い

🍃 ルピナスはしっかりとした直根を持つため、風が強い環境でも倒れにくいのが特徴です。特に北海道のように風の影響を受けやすい地域でも安定して育ちやすく、支柱なしでもしっかりと自立します。
🍃 花穂が大きくなる品種では、強風時に多少傾くことはありますが、基本的には折れにくく、丈夫な植物です。

病害虫に強い

🍃 ルピナスは北海道では特に対策をしなくても、病害虫の発生が少なく、管理がしやすいです。
🍃 ただし、春~初夏にアブラムシがつくことがあるため、適宜チェックし、見つけた場合は、「オルトランDX」「虫よけバリアスプレー」「ニームスプレーガーデン」などの薬剤散布が有効です。

ルピナスの基本データ

■ マメ科/ルピナス属
■ 原種の学名 : Lupinus polyphyllus Lindl. / Lupinus arboreus Sims / Lupinus mutabilis Sweet / Lupinus texensis Hook. / Lupinus nanus Dougl. ex Benth.など
■ 流通名:ルピナス、ノボリフジなど
■ 園芸品種名:Lupinus ‘The Governor’ / Lupinus ‘My Castle’ / Lupinus ‘Gallery Yellow’など
■ 花期 : 初夏
■ 草丈 : 40㎝~100㎝(品種により異なる)
■ 株張り : 20~50cm(品種により異なる)
■ 耐寒性 : 強い
■ 耐暑性 : 普通(寒冷地では強い)
■ 日照 : 日向~やや半日陰
■ 原産地 : 地中海沿岸・アメリカ北部、南部、南アフリカ等
■ 土壌 : 水はけの良い土壌
■ 増やし方 : 種まき
■用途:花壇、ボーダーガーデン、ロックガーデン、鉢植え

品種と寿命|主な種類と一年草or多年草?

1. 園芸用ルピナスの主流はラッセル系
2. その他の原種に近いルピナス
3. ルピナスは一年草?二年草?多年草?
4. ルピナスはこぼれ種で増える?

ルピナスには多くの流通名があったり、一年草や二年草と記載されていたり…。こぼれ種では増えにくいとも言われていますが、その疑問を解決します!

園芸用ルピナスの主流はラッセル系

ルピナスは様々な流通名で販売されていますが、園芸用として最も一般的なのは「ラッセル系ルピナス(Lupinus polyphyllus hybrid)」です。
ラッセル系ルピナスは、北アメリカ原産の原種であるポリフィルス(Lupinus polyphyllus Lindl.)を元に改良された園芸品種群で、日本で流通している「ルピナス」の多くは、ラッセル系です。

ラッセル系(Lupinus polyphyllus hybrid)

  • 最も一般的で流通量の多い園芸用ルピナス
  • 流通名:ピクシーデライト、ミナレット、ブルージャベリン、マイキャッスル、ロートフレームなど

ラッセル系の矮性品種

  • ラッセル系の標準種(草丈80~120cm)に比べ、矮性品種は30~50cmとコンパクトで、鉢植えや小さな庭向き
  • 流通名:ミニギャラリー、ピンクフェアリーなど

その他の原種に近いルピナス

  • ドワーフルピナスLupinus nanus Dougl. ex Benth.):北アメリカ原産の超矮性の一年草。乾燥に強く、鉢植えや狭いスペース向き。日本での流通はほぼない。
  • ブルーボンネットLupinus texensis Hook.):アメリカ南部原産で、暑さに比較的強く、本州向き。北海道では厳しい。流通量は少なく価格も高め。
  • アフリカンルピナスLupinus albus L.):ヨーロッパや南アフリカ原産で、乾燥に強く、温暖な地域向き。北海道では冬越しが難しい。日本での流通はほぼない。

ルピナスは一年草?二年草?多年草?

日本で最も多く流通している「ラッセル系ルピナス」の苗や種には、「耐寒性一~二年草」と記載されていることがあります。これは、本州の気候を基準にした表記であり、暖地では高温多湿の影響で夏越しが難しいためです。

一方、北海道のような寒冷地では、涼しい夏と安定した低温の冬環境に適応し、宿根草(多年草)として毎年花を咲かせることができます。適切な管理を行えば、長期間にわたって楽しむことが可能です。

ルピナスはこぼれ種で増える?

結論から言うと、「ルピナスは、こぼれ種でも増えます」。

かなり砂利の多いエリアに植えているルピナスですが、それでも4月末頃には、こぼれ種であちこちから発芽しています。

4月24日。親株の手前にいくつもの新芽が見られます。※管理人撮影(自宅の庭)

ルピナスの育て方|種まきと管理のコツ

1. 種まきのポイント
2. 植え付け場所と日照
3. 土壌
4. 水やり
5. 肥料
6. 剪定・花がら摘み
7. 冬越し

ルピナスは苗の流通が少ないため、基本的に種から育てます。発芽率が高く、丈夫な植物で、定植後も手間がかからず育てやすいです。

種まきのポイント

 ✅ 種まきは6月頃が適期(気温が高めの方が発芽しやすい)
 ✅ 直根性のため、移植を嫌うので初めから7.5㎝ポットなど、やや大きめのポットを使用
 ✅ 新品の種まき用土、または新品のバーミキュライトを使用(肥料分を含まず、雑菌のない用土)
 ✅ 種の2~3倍の深さに蒔き、嫌光性のため、優しく土をかぶせ光を遮る
 ✅ 発芽するまで土を乾かさない(霧吹きや底面給水)
 ✅ 発芽率は比較的高く(80~90%以上)、通常の管理で十分発芽する
 ✅ ルピナスの種は硬実種子(種皮が固い) ではあるが、発芽しにくいわけではなく、発芽を早めたい場合は、種を一晩水に浸けると良い
 ✅ 発芽後は、本葉が3枚~5枚で定植(土と根を崩さないよう植え付ける)
 ✅ 直根性のため、根が深く伸びる前に定植するのが望ましい

👉 基本的な種まき手順については、「種まきの基本|植物を増やすシンプルな方法」で詳しく解説しています。

植え付け場所と日照

ルピナスは、日当たりを好みますが、半日陰でも十分に育ち花を咲かせるため、植栽場所の選択肢は幅広いです。

南向きで一日中よく日の当たる環境で元気に咲いているルピナス。※管理人撮影(自宅の庭)

日向(1日6時間以上の日照)では花つきが良く、花穂がしっかり育ち、葉色が鮮やかになります。

木漏れ日が当たる北東、半日陰のルピナス。自作の池の周りに植えたもの。※管理人撮影(自宅の庭)

半日陰(1日3~5時間程度の日照)では、花つきはやや控えめになるものの、葉がやわらかく上品な印象になり、涼しげな雰囲気を演出できます。

土壌

  • 水はけの良い土壌を好む
  • 痩せ地でも育つが、極端な粘土質は避ける
  • 粘土質の土は、砂を多めに混ぜることで水はけを改善する
  • 市販の培養土を使う場合はそのままでOK
  • 自分で配合する場合は、赤玉土6:腐葉土2:川砂2で配合することで、適度な排水性と通気性を確保できる
  • 腐葉土が多いと凍結のリスクが上がるため、2割までが適切

水やり

  • 基本:土が乾いたらたっぷり水を与える
  • 北海道の庭:雨が多い場合は基本的に水やり不要
  • 鉢植えの場合:乾燥しすぎないよう適宜水やり

肥料

  • 基本的に不要(マメ科の特性で自ら養分を作る)
  • 生育初期に元肥として少量の緩効性肥料を入れると良い

剪定・花がら摘み

  • 花後の剪定
    • 花穂のすぐ下にある葉の付け根付近でカットする。
    • 茎の途中で切らず、根元から切る方が二番花が出やすい。
    • 早めに剪定すれば、条件が良ければ側枝が伸びて二番花が楽しめることがある。遅くなると種を作り始め、株が疲れるため、タネを採取しない場合は早めに切るのがベスト。
  • 秋の剪定
    • 冬になると地上部は枯れるため、地面すれすれの位置でカットするのが基本。
    • 雪が積もる地域では特に剪定しなくても雪の下で自然に枯れるが、刈り込んでおくと翌春の芽吹きがスムーズになる。
    • 鉢植えの場合も同様に、秋に地際で刈り込んで越冬準備をする。

冬越し

  • 耐寒性が強いため特に防寒対策不要。雪が積もる地域では、雪の下で越冬する。
  • 鉢植えの場合は、屋外では土が凍結しやすく、根がダメージを受けるため、屋内の無加温の場所や玄関フードに移動して管理するのが安全。

庭での活かし方|庭や鉢で映える植え方

1. ボーダーガーデン
2. ロックガーデン
3. 鉢植え・コンテナガーデン

ルピナスの豪華な花姿は、庭のメインとしてもアクセントとしても優れた存在です。

ボーダーガーデン

  • ルピナスの高さと花穂のボリュームを活かし、花壇の縁取りや道沿いに植えると、立体感と彩りを加えます。
  • 他の植物と組み合わせると、ナチュラルな雰囲気を演出でき、庭全体をダイナミックに見せることができます。
  • 背景としても使いやすく、低めの宿根草や一年草と組み合わせることでバランスの取れた景観を作れます。

ロックガーデン

  • 乾燥に強く、砂利や岩の間でも育つため、ロックガーデンに適しています。
  • 自然な風景に馴染みやすく、グラス類やワイルドフラワーと組み合わせることで、野趣あふれる庭の雰囲気を演出します。
  • 直根性があるため、根をしっかり張り、風の影響を受けにくく安定して育ちます。

鉢植え・コンテナガーデン

  • ルピナスは地植え向きの植物ですが、「ミニギャラリー」シリーズなど比較的小型の品種なら鉢植えでも楽しめます。
  • 根が深く張るため、やや深めの鉢を選ぶのがポイントです。
  • 玄関先やパティオに置くと、庭のアクセントとしておしゃれな雰囲気を演出します。
  • 寄せ植えにすると豪華な印象を与えます。

まとめ|ルピナスが教えてくれたこと

管理人は、本州ではルピナスを育てたことがありませんでした。だって、そもそも園芸店で見かけた記憶すらないから…。もしかすると売られていたのかもしれませんが、本州の園芸店では他に人気のある草花が目立ちます。周りで育てている人もいなかったので、ルピナスは馴染みのない存在でした。

北海道に引っ越してきたとき、おそらく前の住人が植えていたのだと思いますが、裏庭に勝手に生えているルピナスを見て「いいな」と思ったんです!そのとき、初めてルピナスの存在を意識したような気がします。

北海道で庭づくりを進めるうちに、砂利と砂が多いエリアに適した植物を探していたこともあり、また、隣家との距離が離れていることや、広々とした土地に、ルピナスを迎え入れてみると、素敵~!やせた土壌でも元気に咲き、遠くからでも目を引く豪華な花穂が風に揺れる姿は、北海道の景色とよく合いますね。

今ではすっかりお気に入りの植物のひとつです。毎年初夏になると庭のあちこちで咲く姿を楽しんでいます。本州では見過ごしていたルピナス。北海道に来て、偶然出会い、その魅力に気づくことができました。土地が変わればガーデニングの楽しみ方も変わる——そんな面白さを教えてくれたルピナスは、管理人の中ではまさにドラマチックな植物です。

何気なく目にした花が、気づけば庭の景色に欠かせない存在になることってありますよね。思いがけない出会いが、新しい庭づくりのヒントをくれることもある。見慣れた風景も改めて見てみると意外な魅力に気づくこともある。そう思うと、これからもふとした瞬間の「いいな」を大切にして、庭づくりに活かしていきたいですね。


👉 ルピナスのように日向で元気に育つ植物は「北海道の日向で育つ多年草・宿根草まとめ」で紹介しています。

👉 種から育てる多年草は、「北海道で種から育てる多年草・宿根草」にまとめています。

👉 他にも、北海道で育てやすい植物を「多年草・宿根草」のカテゴリーで紹介しています。