
植栽計画の立て方
1. どこに何を植えるとバランスがいいか2. グラウンドカバー植物の使い方

植栽計画の基本的な考え方を押さえ、庭のバランスを整えるポイントを解説!
どこに何を植えるとバランスがいいか
- 庭のレイアウトを考える際は、高さ・色・開花時期を意識して配置するとまとまりが生まれます。
- 立体感を出すために、低木・中木・高木をバランスよく配置する。
- 背の高い植物は背景やフェンス沿いに、中くらいの植物はメインエリアに、背の低い植物やグラウンドカバーは前面や小道沿いに配置するのが基本です。
グラウンドカバー植物の使い方
- グラウンドカバーは雑草を抑える効果があり、庭全体の手入れを楽にする。
- 例えば、エリゲロン、ロータスなどは丈夫で日向にも強い。
- 小道や花壇の縁取りにグラウンドカバーを取り入れると、ナチュラルな雰囲気を演出できる。
四季を楽しむ植物の組み合わせ

北海道で季節ごとに楽しめる植物を取り入れて四季の庭を楽しもう!
- 春
- チューリップ、ムスカリ、プスキニア:春の芽吹きを感じさせる球根植物。
- プリムラ(カピタータ、べリス、ブルガリス):特に耐寒性の高い品種で、越冬し、春にさまざまな花色や形状が楽しめる。
- パンジー、ビオラ:冬越しして春~初夏に満開となり、長く楽しめる。
- 芝桜:地面を彩り、北海道の春らしい花のカーペットを作る。
- シレネ:ふんわりとした花が広がり、春の優しい雰囲気を演出。
- 夏:
- ルピナス:初夏に開花し、花穂が美しく北海道らしいダイナミックな景観に。
- ネモフィラ:淡いブルーの花が夏の庭を爽やかに彩る。
- ツキミソウ・シルキー:昼に咲くピンクと白の花が涼しげな印象を与える。
- ペンステモン:すっと伸びる花穂が特徴で、庭に動きを与える。
- カンパニュラ(ラプンクロイデス、サラストロ):可愛らしい釣鐘状の花が特徴で、初夏の庭を優雅に彩る。
- エキナセア:暑さに強く、夏の花壇で存在感を放つ宿根草。
- ルドベキア:太陽のような黄色い花が、夏の明るい雰囲気を演出。
- アリッサム:小花が密に咲き、グラウンドカバーとしても優秀。
- エリゲロン:白やピンクの小花が次々と咲き、ナチュラルな雰囲気を演出。
- ロータス(ブリムストーン、クレチカス):ブリムストーンのライムイエローの葉とクレチカスの黄色い花、シルバーリーフが夏の陽射しに映え、庭に軽やかな印象を与える。
- 秋:
- コスモス:秋風に揺れる可憐な花で、庭に軽やかな雰囲気を演出。
- シュウメイギク:耐寒性があり、秋に白やピンクの可憐な花を咲かせる。
- 宿根アスター:秋の庭を鮮やかに彩る代表的な宿根草。
- 球根ダリア(サックルピコ):サックルピコの優しい色合いがピッタリ。
- 耐寒性多肉植物:寒さに強く、紅葉する品種もあるため、晩秋まで楽しめる。詳しい品種は「北海道で越冬できる耐寒性多肉植物」をご覧ください。
- 冬:
- シードリング:冬でも美しいブルーグリーンの葉色を維持し、雪とのコントラストが映える針葉樹。
- グリーンコーン:冬の寒さにも強く、枝葉が密に詰まっているため、雪が積もっても形が崩れにくい。
- ヨーロッパゴールド:冬は黄色からブロンズがかった色に変化し、雪景色の中で暖かみのあるアクセントになる。
花のリレーを楽しむ配置
1. 植栽エリアの基本構成2. 奥のバトン
3. 中央のバトン
4. 手前のバトン

花が次々と咲きつながる、花のリレーを楽しもう!
植栽エリアの基本構成
エリア内の配置を「奥・中央・前」の3段階で整理し、花が順番に咲いていくリレーが自然に続くようにします。
✅ 「奥・中央・前」の3層構造で、高低差を活かす
➡ 奥:常緑樹と背の高い宿根草を主に年間を通して骨格を作る
➡ 中央:季節ごとの主役の花を配置し、リレーをスムーズにつなぐ
➡ 前:低めの植物を配置し、隙間を埋めながら足元を彩る
✅ 季節ごとの花のリレーを意識する
➡ 春 → 初夏 → 夏 → 秋 へと、開花時期がずれる植物を隣り合わせに配置
➡ 「一斉に咲いて終わる」植栽ではなく、「咲き継ぐ」植栽を意識する
✅ 色の変化で庭全体の流れを作る
➡ 春はパステルカラー(ピンク・青・白) から、
夏の鮮やかなビビッドカラー(紫・黄色・赤) へ。
秋は落ち着いた色合い(紫・白・ピンク) に移行する
✅ 冬の景観も考慮する
➡ 常緑樹を背景に配置し、冬も立体感を維持
➡ 足元に秋の紅葉から積雪前までの冬のアクセント植物を配置
奥のバトン
🍃 背の高い植物を配置し、四季を通して庭の骨格を保つエリア
✅ 通年の構造を支える常緑樹(庭の背景を維持)
- シードリング(ブルーグリーンの葉で冬景観を支える)
- グリーンコーン(枝葉が密で、背景をしっかり作る)
- ヨーロッパゴールド(黄色~ブロンズの色味が季節感を出す)
✅ 春(4月~5月)
- チューリップ(背の高い品種) → 春の始まりを告げる花
- ルピナス → チューリップが終わる頃(5月下旬)に開花し、初夏まで背景を彩る
✅ 夏(6月~8月)
- エキナセア → ルピナスが終わる頃に伸び始め、7月から9月まで背景を支える存在になる
- ルドベキア → エキナセアと同時期に咲き始め、黄色い花で秋まで明るい背景を作る
✅ 秋(9月~11月)
- コスモス → ルドベキアやエキナセアが終わる頃、9月上旬から咲き始める
- 秋咲き球根ダリア → 9月中旬~開花、秋の庭にボリュームを加える
- シュウメイギク → コスモスの少し後、9月後半~10月に開花し、秋の背景を彩る
- 宿根アスター → 9月~11月に咲き、秋の最後を締めくくる
中央のバトン
🍃 季節ごとに花のリレーが続くエリア
✅ 春(4月~5月)
- チューリップ(中程度の品種) → 春の主役。4月~5月に咲き、春の庭を彩る
✅ 夏(6月~8月)
- ペンステモン → 6月中旬から咲き始め、7月に満開に。縦のラインを作る
- カンパニュラ → 7月に開花し、ペンステモンと入れ替わる
✅ 秋(9月~11月)
💡 北海道では、秋咲きの宿根草が少ないため、中央エリアは初夏から秋まで咲く一年草で補うと良い。
- ジニア → 6月~霜が降りる頃まで咲き続け、夏の終わりから秋にかけての花のリレーをつなぎ、華やかさを維持する
- サルビア → 6月~秋にかけて咲き続け、秋の花が少なくなる時期にも彩りをキープ。鮮やかな赤色が庭のアクセントになる
- マリーゴールド → 7月~霜が降りる頃まで咲き、黄色やオレンジ系の温かみのある色合いが秋の庭の雰囲気を引き立てる
- ケイトウ → 7月~10月中旬頃まで咲き、ふんわりとした花穂が秋の庭に調和する
手前のバトン
🍃 背の低い植物を配置し、足元の彩りとリレーをサポート
✅ 春(4月~5月)
- プリムラ(カピタータ、べリス、ブルガリス) → 早春に開花
- ムスカリ・プスキニア → チューリップと同時期に咲き、足元を青や白で彩る
- パンジー・ビオラ → プリムラと並行して咲きながら、気温が上がると芝桜と交代
- 芝桜 → パンジー・ビオラが一旦終わる頃(5月頃)に満開になり、足元を彩る
- シレネ → 芝桜がピークを迎える頃(5月下旬)に咲き始め、本格的なガーデニングシーズンの到来を知らせる
✅ 夏(6月~8月)
- ネモフィラ → 6月頃から開花し、秋まで咲き続ける
- ツキミソウ・シルキー → 6月下旬に咲き始め、初夏の前景を彩る
- アリッサム → シレネが一旦終わる頃(6月下旬頃)に咲き始め、秋までグラウンドカバーとして活躍
- エリゲロン → 6月頃から咲き始め、秋までピンクと白が入り交じった小花を咲かせる可憐なグラウンドカバーとして活躍
- ロータス → → 夏に成長し、ライムイエローの葉や、黄色い花、シルバーリーフがアクセントになる
✅ 秋(9月~11月)
- 耐寒性多肉植物 → 紅葉する品種もあり、晩秋まで色の変化を楽しめる
視覚的な変化を楽しむ植栽
1. 遠近感を意識した植栽2. 段差を活かした植栽
3. 葉や花の色を活かした奥行き効果

遠近感や色の使い方で、庭の印象をグレードアップ!
遠近感を意識した植栽
- 基本の配置:手前に低めの植物、奥に背の高い植物を置くことで、自然な奥行きを演出できる。広い庭~中程度の広さの庭に有効な配置。
- 視線をコントロールする配置:手前に背の高い樹木を配置し、奥を低くすることで、視線が遮られた先に広がりを感じさせる効果を狙うこともできる。狭い庭に有効な配置。
- 圧迫感を防ぐ工夫:手前に植える樹木は、密植しすぎず適度な間隔を空けることで、閉塞感を軽減しながら視線をコントロールできる。
- 奥のスペースに変化をつける:奥に低い植物を配置するだけでなく、あえて空間を作ることで、開けた印象を与える。
- 視線を遮る高さを調整する:完全に見えなくするのではなく、部分的に遮ることで奥への期待感を持たせる。例えば、樹高1.5m~2mで枝が広がる「スズランの木・ブルースカイ(ゼノビア属)」を使うと、足元の抜け感を残しつつ視線を誘導できる。
※ゼノビア属は、一般的に知られているスズランの木(オキシデンドルム属)よりコンパクトでシルバーリーフが美しい。
- 小道との組み合わせ:カーブの内側には低めの植物、外側には高さのある植物を配置すると、自然な視線の流れを作りやすい。
段差を活かした植栽
- スロープ
- 手前に低い植物、奥に高い植物を配置 → 遠近感が強調される横に広がるグラス類やツル植物を活用 → 動きのある植栽に(例:カレックス、ロータス・ブリムストーン)グラウンドカバーを縁に沿って植える → 境界が自然になじみ、雑草対策にも
- 階段
- 低→中→高のグラデーションで奥行きを出す
- 側面の隙間にグラウンドカバーを這わせる → 階段がナチュラルな雰囲気に
- 階段の上にシンボルツリーや目を引く花を配置 → 視線を誘導し、登った時の景色を印象的に
- 光と影のコントラストを活かしながら、段差を利用して庭を立体的に見せると、よりダイナミックな空間が生まれる。
葉や花の色を活かした奥行き効果
- 明るい色を前面に、暗い色を後ろに配置すると遠近感が増す。
- ブルー系の花:デルフィニウム、ペンステモン・エレクトリックブルー、ベロニカ・トラノオ・クレーター レイク ブルーなどは、後方に置くと、視覚的に奥行きを演出。
- 黄色や白系の花:ポテンティラ・クランジー、イベリス、ガウラ、ツキミソウなどを手前に配置すると、庭が明るく広く見える。
日向ならではの光を活かした植栽
1. 強い日差しを利用したコントラストの演出2. 朝~夕方の光の変化を活かした植栽

光の特性を活かした植栽計画で、魅力的な庭を演出!
強い日差しを利用したコントラストの演出
- シルバーリーフ植物:ラムズイヤー、アルテミシア・モリス ストレインなどは、日差しが強い環境でも明るく映える。
- ダークカラーの植物:ヘリオプシス・ブリーディング ハーツ、アスター・プリンス、オレガノ・ヘレンハウゼンなどを対比として組み合わせると、視覚的に美しいコントラストが強調される。
朝~夕方の光の変化を活かした植栽
- 朝日が当たる場所:朝の柔らかい光で美しく映える植物(チューリップ、カンパニュラなど)を配置。
- 午後の強い日差しが当たる場所:耐暑性のある植物(エキナセア、アルメリア、耐寒性多肉植物、チャイブ、デロスペルマなど)を。
- 夕日が差し込むエリア:ススキやスティパを取り入れるとシルエットが際立ち、ドラマチックな雰囲気が楽しめる。
まとめ|日向の庭の植栽テク
この記事では、北海道の日向に適した植物の配置と光の特性を活かす植栽テクニックについて解説しました。
- 植栽計画の立て方
- 四季を楽しむ植物の組み合わせ
- 花のリレーを楽しむ配置
- 視覚的な変化を楽しむ植栽
- 日向ならではの光を活かした植栽
これらのポイントを取り入れることで、季節を感じさせる美しい庭作りが実現できます。植物の配置や光の使い方に工夫を加えて、あなたの庭に魅力的な空間を作り出してみましょう。
次回は、【日陰編】日陰の庭を彩るデザイン術|陰影を活かした空間づくりのコツ です。ぜひ、楽しみにしていてくださいね。