
タンポポ畑の恵み

上の写真は、私の仕事部屋の窓から南の庭を見たところですが、私が廃材で作った鳥の餌台と、巣箱が設置してあります。
ところでタンポポの数がすごいでしょう?
現在は大きく変わっていますが、私は、ここを「タンポポ畑」と呼んでいました。この家に引っ越してきたとき、既にこのようにたくさんのタンポポが広がっていたんです。
タンポポの根は、深く伸びることで土をほぐし、地中に酸素を供給してくれます。また、葉が枯れた後は、そのまま有機物となり、土の中の微生物を育てる養分になります。
晩春に一斉に花を咲かせ、初夏には綿毛となって種を飛ばし、秋には地面に葉を広げてロゼット状になり、冬に備えます。冬は雪の下でじっと春を待ちながら翌年の準備をします。
毎年繰り返されるこのタンポポのサイクルが、この庭の景観を作ってきたのでしょう。ドラマチック~♪
さらに、タンポポは、多くの草食動物の代表的な食糧なんです。ウサギやシカ、リクガメなど、様々な動物がタンポポの葉や花を食べていますし、種は鳥たちの貴重な餌になっています。
黄色い花の時も、綿毛の時も、季節ごとに表情を変えて楽しませてくれる、それもまたタンポポの大きな恵みだと感じています。
タンポポと生き物たち
タンポポの種をカワラヒワが食べに来ます。綿毛をむしって食べるんです。

カワラヒワって、他の小鳥たちのように「鳥の餌台」に来ないんです。地面に近いところで餌をついばんでいます。不思議~。観察していると、他の小鳥に比べて警戒心が強いようなので、そのあたりが理由なのかな。
私の庭には、エゾヤチネズミもいます。タンポポの他にも植えてある花や樹木の枝なども齧ってしまいますが、自然の一部として見守っています。むしろ、邪魔してしまったのは私の方なので…(;^_^A

さらに、私の飼っているリクガメもタンポポを食べます。花も葉っぱも食べますよ♪タンポポの黄色いビタミンカラーの花は、生き物たちを元気にしてくれますね!私たち人間も食べることができる栄養満点の野草なんです♪

タンポポの栄養
✅ 葉
- 鉄、カリウム、葉酸、ビタミンA・B群(B1, B2, B6)、C、E、K
- カルシウム、マグネシウム、リン、マンガン、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)
- βカロテン(体内でビタミンAに変換)
- カリウムが豊富で利尿作用がある
✅ 根
- 水溶性繊維(イヌリンが豊富)(腸内環境改善、血糖値の安定)
- 苦味成分(タラキサシン)(消化促進、肝臓の働きを助ける)
✅ 花
- フラボノイド(抗酸化作用)
- ルテイン(紫外線から目を守る)
花や葉は、サラダや天ぷら、和え物、汁物などに、根はコーヒーにして飲むことができます♪
私の庭のタンポポ畑には、在来種、外来種、交雑種など、いろいろ混ざっているようですが、それについてはまた別のコラムでお話したいと思います。
ポリネーターと益虫の役割
私の庭には、タンポポをはじめとして、様々な野草が生えています。アカツメクサの蜜を吸いに、毎日せっせとマルハナバチやチョウなどのポリネーターがやってきます。「野草=雑草=抜くもの」と考えられがちですが、よく観察してみると面白いものです。

この姿を見るととても抜く気にはなれませんね。(´꒳`)
ポリネーターとは、植物の受粉を助ける昆虫や動物のことです。特にミツバチやマルハナバチは、庭の花々を次々に訪れ、受粉を促してくれます。
ポリネーターには、積極的に花を訪れる「専属ポリネーター」と、たまたま受粉を助ける「偶発的ポリネーター」がいます。
ミツバチやマルハナバチは前者で、特定の花を何度も訪れながら確実に花粉を運びます。一方で、チョウや甲虫のように、花の蜜を吸うついでに受粉を手助けする昆虫もいます。
ポリネーターと似たような言葉に「益虫」がありますが、益虫とは「人間にとって有益な働きをする虫」の総称です。
ポリネーターも益虫の一部ではありますが、益虫の中には受粉ではなく害虫の駆除や土壌改善を助ける虫も含まれるのがポイントです。
例えば、テントウムシはアブラムシを食べてくれますし、クモやカマキリは、害虫となる虫などを食べてくれます。また、ミミズは土を柔らかくし、養分を分解して土壌改良に役立ってくれます。
庭って本当に面白い!本当に!
ガーデニングで大切にしていること
ガーデニングにおいて、私が大切にしていることは、ポリネーターや益虫、その他の生き物に対して、常にウェルカムモードで庭作りをしていくことです。
特に北海道では、ここでしか見られない生き物もたくさんいるため、いわゆる雑草も残しながら、できるだけ自然環境を維持できるよう心掛けています。
とはいえ、タンポポは密集しすぎていたので、下の方が蒸れてドロドロになっているところも多かったんです。なので、なるべく残しつつ、一株ずつが元気に育つよう、適度に間引いて株数を調整しています。
環境に対して決して完璧にはできないけれど、ガーデナーとしても、自然や動物が好きな一人の人間としても、自然を愛しみ、敬い、「自然や生き物たちを理解する気持ちと優しさ」を持って庭づくりをしています。
そうしていると、庭の生き物たちとのつながりを感じ、共にこの場所を育んでいることを実感します。「私もこの庭の生態系の一部なのだ」と常に意識しながら庭づくりをするのって本当に心が温まるし、楽しいですね。
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