植物が2年目から本気を出すワケ|北海道で見せる植物たちの成長力

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イントロダクション用デザイン画像 こんにちは!道東在住のガーデナー、kikoriです。今回のコラムでは、多年草や宿根草が「2年目以降に見せる本来の成長力」についてお話します。特に、北海道のような寒冷地ではこの傾向が顕著で、なぜこのような現象が起こるのかを探りつつ、私の実体験も交えてお伝えしたいと思います。コーヒーやお茶を片手に、ゆっくりしていってくださいね!

一年目の控えめな姿には理由がある

植物を庭に植えた1年目って、どうしても期待しちゃいますよね。私もガーデニングを始めたばかりの頃は、「すぐに花いっぱいの姿が見られるはず!」なんて期待していました。

でも、多年草や宿根草、樹木の場合、「1年目は花を咲かせることよりも、根をしっかり張ることを最優先」にしています。庭に植え替えられたばかりの苗は、地上では目立つ動きが少なくても、土の中では全力で「これからここで生きるための準備」をしているんです。

特に北海道のような寒冷地では、この1年目の根を張る作業がとても重要です。例えば、春の植え付けは5月中旬以降が多く、秋までの短い成長期の間に、しっかりと土壌に馴染むことが翌年の成長を左右します。秋植えの場合は、さらに短い期間で順応しなければいけませんよね。

私たち人間も、新しい環境に慣れるのに時間がかかることがあります。植物もまた、新しい土壌や日当たり、湿度に適応するために、じっくりと時間をかけているのです。

だから、1年目に「思ったほど成長しない」「花がつかない」と感じても、焦らないでくださいね。植物たちは、次の年に本領を発揮するために、しっかりと準備をしている最中なんです。「今は基礎を固めている時期なんだ」と思うと、葉が茂る様子や茎がしっかりしてくる様子も、より愛おしく感じられますよ♪

二年目は植物が本領を発揮するとき

1年目の控えめな姿を見て、「大丈夫かな?」と心配していた植物たち。春の雪が溶ける頃、芽を出し始めると、ほっと一安心すると同時に、感動しますね。

そして、2年目になると、いよいよ植物たちは本領を発揮します!
1年目にしっかりと根を張ったことで、水や養分を効率よく吸収できるようになり、地上部の成長が一気に加速するのです。

私の庭でも、2年目から花を咲かせる植物が多く、咲く花の数や茎の力強さが、1年目とはまるで違います。特に、1年目は「ちっとも成長していない」と感じていた小さな苗木も、2年目以降は枝や葉が急に増え、しっかりとした存在感を示してくれるんです。

多年草や宿根草、樹木は、年々その力を増していきます。その勢いは特に北海道では顕著で、株がぐんと大きくなり、花のつぼみの数が増えることで、見た目のボリューム感が明らかに変わってきます。

こうしたプロセスを知ることで、1年目の植物の姿を違った視点で見られるようになります。「2年目から本領を発揮するんだ!」と、成長をじっくり見守る気持ちが生まれます。そして、「植物って本当に面白いし、たくましいなあ」と感じる瞬間が増えていくでしょう。

北海道ならではの成長パターンとは?

北海道では、冬の寒さが植物を完全に休眠させることで、その後の成長にプラスの影響を与えることがあります。これを、一種の「リセットボタン」のような役割と表現することができるでしょう。

具体的には、地上部が冬の間に枯れることで、植物がエネルギーを無駄に消費せず、根にしっかりと蓄えることができます。そのため、春になったときに、休眠中に蓄えたエネルギーを一気に使って成長を始めるのです。

また、北海道の積雪も重要な役割を果たします。雪が地面を覆うことで、寒風から根が守られ、土壌の温度が安定し、深刻な凍結を防ぐ効果があります。このおかげで、根は過酷な環境にさらされることなく、冬を越すことができるのです。
例えば、雪が少ない年には、植物が傷んでしまったり、越冬に失敗することがあります。一方で、しっかり積雪があった年には、翌春に元気よく芽吹く姿が見られることが多いです。

さらに、夏の涼しい気候も、北海道ならではの特徴です。宿根草や多年草の中には、高温多湿が苦手な植物も少なくありません。
例えば、ラベンダーやデルフィニウム、ホスタなどは、本州の蒸し暑い夏よりも、北海道の涼しい気候のほうが適しています。猛暑や蒸れによるストレスが少ないため、夏の間も株が健康に保たれ、根がしっかりと張りやすくなります。

北海道の植物が本州を超える理由

「北海道で育てる植物は実は本州よりも大きく育つことがある」ということをご存じですか?

実は私も北海道でガーデニングを始めてから気づいたことなんです。イメージ的には本州の方が温暖で成長に適しているように思えるので、「大きく育つ」と聞くと意外に感じる方も多いのではないでしょうか?でも、違うんです。北海道って本当に面白い!

例えば、北海道の夏は涼しくて湿度も低め。多くの植物にとってストレスとなる高温多湿が避けられるので、株が健全に成長しやすく、根張りも安定します。特に多年草や宿根草にとって、この環境はとても快適。私の庭では、多年草のフロックスや宿根サルビアが、本州では考えられないくらい、ボリュームたっぷりに育っています。

さらに、北海道の冬の休眠期間が成長に一役買っていることも見逃せません。本州では冬でも植物がある程度活動していることが多いのに対し、北海道では冬の間、地上部が完全に枯れ、エネルギーを根に集中させて蓄えることができます。この「リセット期間」があることで、翌春の芽吹きや成長に勢いがつくんです。

もう一つ面白いのが、北海道の夏の日照時間の長さです。夏場の長い日照時間は、植物が光合成をたっぷり行うのに適した環境を作ります。たとえ成長期が短いとしても、効率よく光合成を行うことで、植物は短い期間でもしっかりと大きく育つんですよね。

そして、病害虫が少ないのも北海道ならではのポイントです。本州では高温多湿のせいで広がりやすい病気や虫の被害が、北海道ではかなり軽減されます。そのため、植物がストレスなく成長できる環境が整っているんです。

北海道ガーデニングの恩恵と魅力

北海道でガーデニングをしていると、「冬の休眠」と「涼しい夏」という特性が植物に与えるプラスの効果を強く実感します。また、1年目と2年目以降の成長の違いがハッキリと現れることで、「寒冷地ならではの恩恵と魅力」を改めて感じます。

これらのことから北海道ってやっぱり、ガーデニングに適していると感じますね。(※このテーマについてはコラム第一回目でも触れています)

もちろん、本州と比べると育つ植物の種類は限られますが、温暖な地域とは異なる成長パターンを観察できるからこそ、驚きや発見がたくさんあります。

植物たちが本州よりも大きく育つ姿を見て、最初は「どうして?」と驚きましたが、今ではそれが当たり前になりました。この土地だからこそ見られる光景だと思うと、本当に誇らしい気持ちになります。

管理人の庭が教えてくれたこと

私の庭にも、2年目以降に本領を発揮する植物たちがたくさんあります。
例えば、シレネは、1年目は葉が良く茂り花は控えめでしたが、2年目には驚くほど花いっぱいで庭を彩ってくれるようになりました。

宿根サルビアは、2年目以降に株が基本サイズより大きく育ち、夏の庭で風に揺れる様子は、見ているだけで癒されます。

また、ジューンベリーやハスカップのような果樹も、1年目は苗木のような頼りなさがありましたが、2年目から枝がぐんぐん伸び始め、葉がわさわさしてきました!

中でも一番ビックリしたのはフロックスですね。フロックスも、1年目はだいぶ控えめで「大丈夫かな?」と思ったものの、2年目の夏には鮮やかなピンクの花のボリュームがすごいことに!

📸 1年目と2年目、こんなに違う!

(左)植え付け時の1年目のフロックス・ウィンザー。(右)2年目に本領を発揮した姿。北海道の環境が驚きの成長を後押ししています。※管理人撮影(自宅の庭)

なんじゃこりゃぁ~( ゚Д゚)スゴッ!

この存在感は、多くの宿根草の花が晩春に終わって寂しくなった庭で、パッと目をひきますね。湿度が低く涼しい北海道の夏は、フロックスのような宿根草にとってまさに理想的な環境のようで、その成長ぶりには驚かされました!

「本州では普通に育っていた植物が、北海道では最高のコンディションで輝く」。このことが顕著に表れた植物だと言えるでしょう。

ガーデニングの楽しみ方は本当にさまざまですが、植物の成長の過程を「観察」することは、私の最も楽しいとするところです。私は博士気質なところがあるので、観察とか研究って大好きなんです!植物が本来持つ力を実感できる瞬間は、なんとも言えませんね~(´꒳`)


ちなみに、「フロックス・ウィンザー」という品種名には、「ウィンザー」「ウィンサー」「ウィンズァー」など、いくつかのカタカナ表記が見られます。
これは、正式な学名 Phlox paniculata ‘Windsor’ における “Windsor” の発音(英語読みやラテン語風の音写)に由来するもので、いずれも同じ品種を指しています。
やや流通量の少ないレア品種として、フロックスファンの間で人気があります。

楽しむためのちょっとしたポイント

植物たちが本領を発揮してくれるのを見るのは、本当に楽しいものですが、私もこれまでにいくつか「やっちゃった」経験があります(笑)。そんな失敗談も交えながら、気をつけると良いことをお伝えしますね。

まず、北海道の冬は植物にとって試練のとき。雪がたっぷり積もると、まるで毛布のように根を守ってくれるのですが、雪が少ない年は大変です。以前、雪が少なかった年に、エリゲロンが少し元気を失ってしまったことがありました。それ以来、秋に敷きわらや枯れ葉をかけるようにしています。

それから、春先は焦らないのが大事です。北海道の春は、とてものんびりしていますから、芽吹きが遅くても大丈夫。私も最初の頃は、雪が溶けたらすぐに何かしなきゃ!とウズウズしていました。
でも、ある年、何の植物だったか忘れてしまいましたが「まだかな?」と掘り返してしまったことがあり、逆に痛めてしまったんです…。今では「待つのも庭仕事」だと思って、気長に暖かくなるのを待つようにしています。

あと、植物が勢いづき始めると、広がりすぎてしまうこともありますよね。エリゲロンやシレネなんかは特に、気がつくとどんどんスペースを占領していることがあります(笑)。
私はそんなとき、剪定や株分けを楽しみながらやっています。植物たちも「ちゃんと手入れしてくれてありがとう」と喜んでいる気がして、やりがいを感じます(•̀ᴗ•́)و

失敗も含めてガーデニングの一部。そんな気持ちで楽しんでいれば、きっと植物たちもその力を存分に発揮してくれると思います!

👉 本記事のようなガーデニングに関する気づきや体験は、「ガーデニングのあれこれ」のカテゴリーにまとめています。