北海道で育つ庭木|寒冷地に適した庭木の魅力と選び方

イントロダクション用デザイン画像 北海道の厳しい冬にも耐え、美しい景観を生み出す庭木は、寒冷地の庭づくりに欠かせない存在です。この記事では、庭木の役割や魅力をわかりやすく解説し、寒さに強い庭木の種類や育て方のポイントをご紹介します。北海道の気候でも安心して庭木を楽しむためのヒントをお届けします。

庭木の役割

1. 景観を彩る
2. 防風・目隠し効果
3. 環境への貢献

庭木は、景観を作るだけでなく実用性も抜群です!

庭木は、ただ庭を美しく見せるだけでなく、さまざまな役割を果たします。四季折々の彩りを楽しめるだけでなく、庭の環境や生活を快適にしてくれる効果もあります。

景観を彩る

  • 四季折々の変化を楽しむことができる。
  • 花や紅葉、果実などが庭に彩りを与える。

防風・目隠し効果

  • プライバシーを守る目隠しとして役立つ。
  • 冬の冷たい風から庭や家を守る防風壁として重要。
  • 吹き溜まりを防ぎ、雪の分布を均一にすることで庭の雪害を軽減する。

環境への貢献

  • 鳥や昆虫の住処として生態系を支える。
  • 光や影を作り出し、夏の暑さを和らげる。
  • 二酸化炭素の吸収や酸素の供給など、環境改善にも寄与する。
🌱 まとめ:庭木は美しさだけでなく、防風や環境保護など、私たちの暮らしを豊かにしてくれる実用性の高い存在です。庭木を上手に活用することで、庭づくりの楽しみがさらに広がります。

北海道での庭木選びのポイント

1. 耐寒性を重視する
2. 土壌と植栽環境に合わせる
3. 管理のしやすさを考える
4. 景観との調和を意識する

寒冷地ならではの条件を押さえた庭木選びが大切です!

北海道で庭木を選ぶ際には、寒冷地特有の環境に適応した種類を選ぶことが重要です。ここでは、選び方のポイントを簡潔にまとめました。

1. 耐寒性を重視する

  • 厳しい冬を越えるためには、耐寒性が高い庭木を選ぶことが基本です。
  • 特に北海道のような寒冷地では、マイナス20℃以下の気温に耐えられる樹木が理想です。

2. 土壌と植栽環境に合わせる

  • 庭木が健やかに育つためには、植える場所の環境に適した種類を選ぶことが必要です。
  • 日当たりや風当たりの良さに加えて、土壌の水はけ具合やpHを確認しましょう。
  • pHについては『①土づくりー適切なpHバランス』をご覧ください。

3. 管理のしやすさを考える

  • 剪定や落ち葉の掃除がしやすい庭木を選ぶと、手入れの負担を減らせます。
  • 特に寒冷地では、雪の重みで枝が折れにくい樹木を選ぶのもポイントです。

4. 景観との調和を意識する

  • 庭全体の景観を考え、常緑樹と落葉樹、果樹や花木をバランスよく配置することで、美しい庭づくりが可能になります。
🌱 まとめ:北海道での庭木選びでは、耐寒性や管理のしやすさを重視しながら、庭の条件に合った種類を選ぶことが大切です。適切な選び方をすることで、四季を通じて美しい庭を楽しむことができます。

庭木の種類と特徴

1. 常緑樹
2. 落葉樹
3. 花木
4. 果樹

庭木は種類ごとに特徴があり、目的に合わせて選ぶのがポイントです!

庭木にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴や魅力を持っています。ここでは、庭木をいくつかのカテゴリに分けて、その特徴を簡単にご紹介します。

常緑樹

特徴:一年を通して葉を落とさず、緑の景観を保ちます。目隠しや防風に適しており、庭の背景としても使いやすい樹木です。
:コニファー類

落葉樹

特徴:四季の変化を楽しむことができ、特に紅葉や新緑の季節には独特の魅力を放ちます。冬には葉が落ち、庭に光が差し込みやすくなります。
:ヤマボウシ、カエデ、モミジなど

花木

特徴:季節ごとの花を楽しむことができる樹木。庭を華やかに演出し、花が咲く時期が待ち遠しくなります。
:桜、コデマリ、ムクゲなど

果樹

特徴:実を収穫して楽しむことができる樹木。花や実も美しく、実のない時期でも観賞用としても楽しめます。
:サクランボ、ジューンベリー、りんごなど

🌱 まとめ:庭木は、それぞれの特徴を活かして植えることで、庭全体の魅力を高めることができます。目的や庭の環境に合った種類を選ぶことが、理想の庭づくりの第一歩です。

北海道で育てやすい常緑樹

1. コロラドトウヒ(コロラドスプルース)
2. スーパーブルーシードリング
3. ドイツトウヒ(ノルウェースプルース)
4. モミ

北海道の気候に適した育てやすい常緑樹をご紹介します!

北海道の厳しい気候に適した育てやすい常緑樹の中から、特に手入れが簡単な、おすすめのコニファー(針葉樹)をピックアップしてご紹介します!

コロラドトウヒ(コロラドスプルース)

庭に植わっているコロラドトウヒ。美しい青緑の針葉と円錐形の樹形が特徴的で、庭のアクセントとなる存在です。※イメージ画像(AI生成)
  • コロラドトウヒ(コロラドスプルース)
  • 樹高は10m〜20mが一般的ですが、最適な環境で成長すると30m以上に達することもあります。
  • 青緑色の美しい針葉が特徴で、寒冷地にも強く、風にも耐えるため、庭木や生垣、風除けとして最適です。

スーパーブルーシードリング

スーパーブルーシードリング(コロラドトウヒ)の庭木。美しい青緑色の針葉を持ち、コンパクトなサイズで小さな庭にもぴったり。成長が早く、自然な円錐形に育ちます。※イメージ画像(AI生成)
  • スーパーブルーシードリング
  • 樹高1m〜5mと小型のコニファーです。
  • コンパクトなので、小さな庭や大きめの鉢植えにも最適で、最もおすすめの常緑樹です。
  • 成長が早く、年間30cm〜60cm、最速で1m成長します。
  • コロラドトウヒの一種で、特徴的な青緑色の針葉が美しいです。
  • 自然な円錐形に育ち、手入れが簡単で、庭に彩りを加えます。
  • トウヒ類の中では価格も安く、初心者の方にもピッタリです。

ドイツトウヒ(ノルウェースプルース)

ドイツトウヒ(ノルウェースプルース)の庭木。密生した針葉が特徴的で、成長が早く、樹高が20〜30メートルに達します。庭に自然な風合いを加える美しい常緑樹です。※イメージ画像(AI生成)
  • ドイツトウヒ(ノルウェースプルース)
  • 高さ20m〜30mに達します。
  • 成長は比較的早く、年間30cm〜60cmほど伸びます。
  • 密生した針葉が美しいです。
  • 広い敷地や、庭に自然な風合いを加えたい方に最適です。

モミ

雪景色の中に立つモミ(Abies species)。美しい針葉と円錐形の樹形が特徴で、冬の景色に映える常緑樹です。※イメージ画像(AI生成)
  • モミ
  • 高さ10m〜30mに成長します。
  • 成長は比較的遅く、年間20cm〜50cmほど成長します。
  • 雪景色にも映え、寒冷地に非常に適しています。
  • 庭に落ち着きと深みを加える樹木です。

北海道で育てやすい落葉樹

1. ヤマボウシ
2. メギ
3. コハウチワカエデ
4. ノムラモミジ

北海道の気候に適した育てやすい落葉樹をご紹介します!

北海道で育てやすい落葉樹には、ヤマボウシ、ミズナラ、カシワ、白樺、メギ、ナナカマド、ニシキギ、カエデ、モミジなどがあります。
その中でも、紅葉が美しく、年間を通して葉色を楽しめる上に、手入れが簡単なおすすめの種類を紹介します。

ヤマボウシ

秋の紅葉が美しい落葉ヤマボウシ(Cornus florida)。鮮やかな赤やオレンジの葉が庭に色どりを加え、季節の変化を楽しむことができる樹木です。※フリー画像(出典:写真AC)
  • ヤマボウシ(落葉)
  • 樹高は4〜6メートルで、最適な条件で最大15メートルに成長することもあります。
  • 初夏から夏にかけてに美しい白やピンクの美しい花がたくさん咲き、庭に明るさと華やかさを加えます。
  • 秋になると、鮮やかな紅葉が広がり、赤い実が実ります。実は観賞用で、食べることはできませんが、秋の庭に彩りを添えます。
  • 自然に美しい樹形が整い、手間もかからず四季を通して美しい景観を提供してくれます。

メギ

庭に植えられた紫メギ(Berberis thunbergii)。鮮やかな紫色の葉が特徴的で、庭のアクセントとして美しい存在感を放っています。※イメージ画像(AI生成)
  • メギ
  • 樹高は1.5〜3メートルとコンパクトです。
  • 葉の色にバリエーションがあり、緑葉、黄緑葉、紫葉など、さまざまな品種があります。
  • 初夏にかけて小さな花を咲かせ、秋には鮮やかな紅葉と、赤い実もなり、鑑賞して楽しむことができます。
  • 刈り込みに強く、好きな形に剪定できるので、庭のデザインに合わせやすいです。
  • コンパクトなサイズと豊富な葉色が庭のアクセントに最適です。

コハウチワカエデ

コハウチワカエデは、赤から黄色への美しいグラデーションが特徴的な紅葉です。この独特の色合いは、他の木にはない特別な魅力を持っています。※フリー画像(出典:写真AC)
  • コハウチワカエデ
  • 樹高は5メートル程度です。
  • カエデの中でも特に美しい色とりどりの紅葉が特徴の落葉樹です。
  • 秋には、鮮やかな赤やオレンジ、黄色が混ざり合った珍しい紅葉が楽しめます。
  • コンパクトに育つため、小さな庭でも栽培可能で、スペースを取らずに美しい季節感を楽しめます。

ノムラモミジ

春から秋まで、深紅から朱色へと葉色が変化するノムラモミジ。その長い期間、美しい紅葉のような姿を楽しむことができます。※フリー画像(出典:写真AC)
  • ノムラモミジ
  • 樹高は3〜5メートル程度です。
  • ノムラモミジは、赤みを帯びた葉が特徴で、春から秋にかけて微妙に色が変化します。
  • 春には淡い赤色、夏には深みのある赤、秋には鮮やかな赤色に変わり、四季折々に異なる表情で庭に鮮やかなアクセントを加えます。(温暖な地域では緑になることもあります。)
  • 樹高が比較的小さく、コンパクトに育つため、限られたスペースにも適しており、小さな庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。

北海道で育てやすい花木

1.
2. コデマリ
3. ムクゲ

北海道の気候に適した育てやすい花木をご紹介します!

北海道で育てやすい花木には、桜、ヤマブキ、ライラック、藤の花、コデマリ、ムクゲなどがあります。
その中でも特におすすめの種類を紹介します。

旭山桜あさひやまざくら

  • 旭山桜は、主に盆栽として人気の高い桜ですが、稀に庭植え用として販売されることもあります。
  • 樹高は2〜3メートル程度で、小さな庭にも適したコンパクトなサイズです。
  • 5月上旬〜中旬に八重咲きの淡いピンクの花を咲かせ、華やかな景観を作ります。
  • 庭植えでは珍しい存在ですが、その美しさと管理のしやすさから、管理人おすすめの桜です。

熱海緋桜あたみひざくら

  • 熱海緋桜は、濃いピンク色の花を咲かせる早咲きの桜で、庭を鮮やかに彩ります。
  • 樹高は5〜7メートル程度で、存在感のある姿が特徴です。
  • 本州では2月中旬から3月に咲きますが、北海道では5月上旬頃に見頃を迎えることが多いです。
  • 寒風や積雪への耐性を高めるため、冬場は防寒ネットやマルチングで根元を保護すると安心です。
  • 北海道の春を華やかにする桜として、庭木にも適しています。

高嶺桜たかねざくら

  • 高嶺桜は、寒冷地に自生する耐寒性の高い桜で、北海道の庭にも非常に適しています。
  • 樹高は3〜5メートル程度で、シンプルで上品な一重咲きの花を5月上旬に咲かせます。
  • 自然の風景に溶け込むような清楚な雰囲気が魅力で、野趣あふれる庭にぴったりの桜です。
  • 病害虫に強く、管理も比較的容易なので、初心者にもおすすめの品種です。

高砂桜たかさござくら

  • 高砂桜は、サクランボが実る果樹品種として知られる桜で、花と果実の両方を楽しめるのが魅力です。
  • 樹高は3〜5メートル程度で、家庭の庭にも取り入れやすい中型サイズです。
  • 北海道では5月上旬〜中旬にかけて白〜淡いピンクの一重咲きの花を咲かせ、その後、初夏~夏には赤く甘みのある果実が実ります。
  • 「高砂」という名前は古くから長寿や夫婦円満を象徴する縁起の良い言葉として親しまれており、庭木としても人気があります。
  • 自家受粉しにくいため、他品種(佐藤錦など)を近くに植えると実付きが良くなります。

コデマリ

コデマリ。コンパクトなサイズと調和の取れた樹形が魅力で、庭に落ち着きと品を加える低木です。※フリー画像(出典:写真AC)
  • 樹高は1〜2メートルの低木で、小さな庭にも適したサイズ感です。
  • 5月中旬〜下旬に白い小花が枝いっぱいに咲き、雪が積もったようなふんわりとした姿が魅力です。
  • 花付きがよく、開花期間中は非常に華やかで、庭全体を明るく見せてくれます。
  • 剪定にも強く、手入れがしやすいため、初心者にも人気があります。
  • 他の花木(桜やライラックなど)と組み合わせると、庭全体に季節ごとのメリハリを作れます。
  • 剪定で高さを調整しやすいため、スペースに応じたデザインが可能です。

ムクゲ

ムクゲは、夏から秋にかけて大きな花を次々と咲かせる庭木。ピンクや白、紫など豊富な色彩で、庭を華やかに彩ります。※管理人撮影(自宅の庭)
  • 樹高は2〜4メートルと比較的小ぶりで、狭い庭にも適しています。小さな庭のシンボルツリーや、花壇の一角のアクセントとしておすすめです。
  • 8月〜9月にかけて次々と大きな花を咲かせ、夏の暑い時期に庭を華やかに彩ります。
  • 花色は白、ピンク、赤、紫など豊富で、一重咲、八重咲といった多様な花姿が楽しめます。
  • 花の寿命は1日と短いですが、毎日新しい花を咲かせるため、長期間楽しめるのが特徴です。
  • 剪定で高さや形を調整しやすく、株立ちや一本立ちなど庭のデザインに応じた形で育てられます。
  • 乾燥に強く、また土壌を選ばず痩せた土地でも育つため、初心者にもおすすめです。

北海道で育てやすい果樹

1. サクランボ(佐藤錦)
2. ジューンベリー
3. ぶどう(キャンベルアーリー)

北海道の気候に適した育てやすい果樹をご紹介します!

北海道で育てやすい果樹には、サクランボ、マルベリー、ブルーベリー、ハスカップ、アルプス乙女(りんご)、ジューンベリー、ぶどう、千両梨せんりょうなし、栗などがあります。
その中でも特に手入れが簡単で収穫率の良い種類を厳選してご紹介します。

サクランボ(佐藤錦)

収穫されたばかりの佐藤錦(サクランボ)。美しい赤い実が魅力的で、甘みと酸味のバランスが絶妙!※フリー画像(出典:写真AC)
  • 樹高は3〜5メートル程度です。
  • 家庭でも育てやすいコンパクトなサイズ感が魅力です。
  • 5月中旬〜下旬にかけて淡い白い花が咲き、初夏には赤くてみずみずしい果実を収穫できます。
  • 果実は甘く、みずみずしい食感が特徴で、家庭栽培でも人気の高い品種です。
  • 庭に植えることで、春の花と夏の収穫という二重の楽しみを味わえます。

ジューンベリー

株立ちジューンベリーは複数の幹が広がり、自然で美しい樹形が特徴。春には白い花、夏には甘酸っぱい実、秋には鮮やかな紅葉が楽しめます。※フリー画像(出典:写真AC)加工あり
  • 樹高は一般的に3〜6メートル程度です。
  • 株立ちタイプを選ぶか一本タイプを仕立て直すことで、自然な広がりのある美しい樹形になります。
  • 北海道では7月頃に可憐な白い花を咲かせ、庭に爽やかな印象を与えます。
  • 夏には赤から黒へと熟す果実が楽しめます。果実は甘みと酸味のバランスが良く、生食やジャム、お菓子作りやスムージーなど幅広い用途に使えます。
  • 秋には美しい紅葉を見せるため、1年を通して観賞と実用の両方を楽しめる樹木です。
  • 鳥が果実を好むため、庭の自然環境を豊かにする役割も果たします。

ぶどう(キャンベルアーリー)

キャンベルアーリーは、北海道でも育てやすい自家結実性のぶどう品種。黒紫色の果実は8月下旬〜9月に収穫でき、甘酸っぱい味わいが特徴です。庭の景観を引き立てながら収穫が楽しめます。※イメージ画像(AI生成)
  • 北海道でも育てやすい「キャンベルアーリー」は、家庭菜園や庭木として人気のぶどう品種です。
  • 1本で実を付ける「自家結実性じかけつじつせい」です。
  • 初夏に緑の葉が茂り、8月下旬〜9月頃に黒紫色の果実を収穫できます。
  • 果実は酸味と甘味のバランスがどこか懐かしい、生食やジュース、ジャムなどに適しています。
  • パーゴラやフェンスに這わせたり、棚仕立てにすることで庭の景観を引き立て、日陰作りにも役立つ実用的な樹木です。

庭木の育て方とメンテナンス

1. 植栽のタイミング
2. 水やり
3. 肥料
4. 剪定
5. 冬季対策

無理をせず、できる範囲で管理をすれば、庭木は十分元気に育ちます。

庭木の管理にはいくつかの基本的なポイントがありますが、必ずしもすべてをきっちり行う必要はありません。ここでは基本的な管理方法についてご紹介します。

植栽のタイミング

落葉樹や花木

  • 春植え:雪解け後、地面が柔らかくなり始める春が適しています。新芽が出る前に植えることで、根が土にしっかり定着します。
  • 秋植え:秋も植え付け可能ですが、土が凍る前に根が活着するよう早めに植え付ける必要があります。

常緑樹やコニファー類

  • 春植え:春も可能ですが、乾燥に弱いため、注意深い水やりと管理が必要です。
  • 秋植え:秋が一般的で、土が凍るまでに根を定着させることができます。

果樹

  • 春植え:果樹は新芽が動き出す前の春植えが適しています。根が早めに土壌に慣れることで、その年の成長がスムーズになります。
  • 秋植え:耐寒性の高い果樹の場合、早い秋植えも可能です。ただし、初年度は防寒対策を行うことが推奨される場合があります。

水やり

  • 若木のうちは乾燥に注意し、適度に水やりを行います。特に植え付け直後の1~2年は根が十分に張っていないため、定期的な水やりが必要です。
  • 成木になると、基本的に自然の降水で問題ありませんが、長期間の乾燥が続く場合には補水が効果的です。

肥料

  • 元肥
    • 植え付け時に土に混ぜ込む肥料。緩効性のバランス型肥料を使うことで、根が育つ環境を整えます。
    • 果樹や花木の場合、植え付け前にしっかり施すことが重要です。
  • 追肥
    • 成長期(春から初夏)に与える肥料。緩効性のバランス型肥料を与えます。
    • 果樹や花木にはリン酸とカリウムを主体とした肥料が適しています。
  • お礼肥
    • 開花後や収穫が終わった後に与える肥料。特に果樹や花木には必須で、消耗した養分を補い、翌年の花付きや果実の品質を向上させます。
    • 果樹の場合:収穫後の秋口に与える。
    • 花木の場合:開花終了直後に速効性の肥料を少量施す。
  • 注意点:過剰な肥料は庭木の病気や不調の原因になることがあります。適量を守ることが重要です。

🍃肥料についての詳しい内容は『④肥料の種類と役割』を参考にしてください。

剪定

目的

  • 落葉樹、常緑樹、花木
    • 枝が密集すると、病害虫が発生しやすくなるため、剪定で風通しと日当たりを良くします。日当たりを確保することで、全体的な成長が促進されます。
    • 剪定により、木の形を整え、庭の景観に調和する樹形を作ります。また、重心を整えることで倒木や枝折れを防ぎます。
    • 古い枝や弱った枝を取り除くことで、新しい成長を促します。特に花木では、花を咲かせる力を集中させるために剪定が有効です。
  • 果樹
    • 果実をつけるためには、樹形を整え、日光が果実や葉に均等に届くようにすることが重要です。これにより、果実の品質や収量が向上します。
    • 徒長枝(過剰に伸びた枝)や内向きに伸びる枝を剪定することで、栄養が必要な部分に行き渡りやすくなります。また、病害虫の温床になる枝を取り除くことも重要です。
    • 剪定で樹形を整えることで、果実の摘み取りやすさが向上し、作業効率が良くなります。

時期

  • 落葉樹:雪解け後の春(芽吹き前)が適期です。
  • 常緑樹:初夏や成長が落ち着く時期が適期です。ただし、コニファー類は基本的に剪定を必要としません。
  • 花木:花が終わった後、すぐに剪定することで翌年の花付きが良くなります。
  • 果樹
    • 雪解け後の早春(芽吹き前):主に不要な枝や古い枝を取り除き、果実がつきやすい形に整えます。
    • 夏季剪定:生育期(6~7月頃)に徒長枝(無駄に伸びた枝)や混み合った枝を取り除き、果実に栄養を集中させます。

剪定のポイント

  • 庭木全般
    • 枯れ枝や病害虫の被害を受けた枝を優先的に取り除きます。
    • 混み合った枝を間引き、風通しと光の入り方を調整します。
  • 花木:花後に剪定を行うことで、新しい枝の成長にエネルギーを集中させることができます。
  • 果樹:主枝を選定し、不要な枝や古い枝を取り除きます。
  • 高木:主幹を適切に切り詰めて樹高を低くすることで、管理しやすくし、庭全体との調和を保つ工夫が必要です。

冬季対策

雪の重み対策

  • 重い雪で枝が折れるのを防ぐために、必要に応じて枝をまとめて縛るか支柱を立てます。
  • 特に枝が細い庭木や果樹には有効です。

防寒対策

  • 耐寒性が低い樹木の場合、幹や根元をわらや防寒材で覆うことで霜害を防ぎます。
  • ただし、北海道で育つ耐寒性の高い庭木では、特別な防寒対策が不要な場合が多いです。

風除けの設置

  • 強風による枝折れや乾燥を防ぐため、風の強い場所では庭木の周囲に風除けを設置します。
  • 耐風性の低い若木には特に有効です。

雪の吹き溜まりを防ぐ

  • 庭木の配置や防風壁によって雪の吹き溜まりを防ぎ、枝や幹への負担を軽減します。
🌱 まとめ:庭木は意外と手がかからないものです。管理の基本を押さえておけば、必要なときだけお手入れをすることで、元気に育てることができます。あまり気負わず、自分のペースで庭木の成長を見守りましょう。

寒冷地で楽しめる庭木の魅力と可能性

北海道の厳しい寒さにも耐える庭木は、四季折々の美しさと庭の個性を引き出してくれる頼もしい存在です。特にコロラドトウヒのような寒冷地向きの庭木は、北海道ならではの庭の景観づくりにピッタリです。モミは本物のクリスマスツリーとしても楽しめる、寒冷地の特権ですね!

管理人は、寒冷地に適した庭木の選び方を日々研究しています。本州出身ですが、北海道に引っ越してきてから、「庭木を植えているお宅が少ないなあ」と感じました。

北海道では特にエゾマツやトドマツが防風林としてよく利用されており、庭木というより機能的な植栽として使われることが多いようです。ただ、大きくなりすぎてバッサリ切られている姿を見かけると、少し寂しく感じることもあります。

その姿を見て「寒冷地でも楽しめる庭木をもっと広めたい」という思いが強くなりました。特に、イチジク(アーチペル)のように寒冷地でも育つ果樹は、多くの方にとって新しい発見になると感じています。

イチジクは本来、温暖な気候を好む果樹で、寒冷地では育てるのが難しいとされています。しかし、近年、耐寒性を持つ品種がいくつか開発され、その中でもアーチペルは北海道道東でも地植えで育てられる数少ない庭木(果樹)の一つです。

温暖な地域で育つことが常識とされるイチジクですが、アーチペルは寒冷地でも育つ貴重な品種です。※管理人撮影(自宅の庭)

実は、管理人自身がイチジクをどうしても育てたいという思いから「アーチペル」という品種が道東でも地植えで越冬可能であることを確認しました!

ホームセンターで見つけた時、「売ってあるなら越冬できるかも?」と半信半疑で植えてみたところ、なんと!防寒対策なしで地植えのまま越冬したんです!まだ2年目の株なので、これから実付きやまたその味など、どうなるのかとても楽しみです。

さらに、越冬できただけでなく、冬にエゾヤチネズミに根元から齧られてしまったのに、春には元気に芽吹いたんです!その生命力には驚きました!

  • 樹高は1〜2メートル程度なので、小さな庭や鉢植えでも育てやすい果樹です。
  • 秋には濃い紫色に熟した果実を収穫でき、甘みと柔らかな食感が特徴とされています。
  • 果実はそのまま食べるのはもちろん、ジャムやお菓子作りにも活用できるようです。
  • 丸みを帯びた葉も美しく、たとえ実がならなくても庭の景観のアクセントになります。
  • 冬季のマルチングなどせずに越冬しています。

今後も、北海道の環境に適した庭木をさらに掘り下げてご紹介していきたいと思います。北海道での景観を楽しむ庭作りを一緒に楽しめたら嬉しいです!