植物の増やし方【挿し木】

kikori
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こんにちは!kikoriです。北海道・道東で趣味のガーデニングをしています。このページでは、植物の増やし方②挿し木をお話しています。

挿し木とは

挿し木とは、樹木や観葉植物の枝の一部をを切り離して挿し床と呼ばれる用土や水に挿して発根➡発芽させて増やす方法です。切り離した枝は挿し穂と呼び、草花などの茎を切って増やす方法は挿し芽と呼びます。また、葉をつけた状態で挿すので緑枝かんざしとも言います。

挿し木の準備

挿し木の用土

発根させることが目的なので養分や微生物を含まず、清潔で通気性が良く保水性の良い土が適しています。小粒の赤玉土5:バーミキュライト5の割合で混ぜた用土を使います。鹿沼土や川砂、ピートモスも使えます。

挿し木の挿し床

挿し床は、プラスチックの鉢や育苗ポットが良いです。下から吸水させる方法が望ましいです。上から水やりすると挿し穂が倒れてしまいます。

挿し木の方法
挿し木

挿し木の発根に適した時期

土の温度が20℃~25℃になると、挿し木に使う枝や茎が固すぎず柔らかすぎない状態になり、発根しやすくなります。この時期が挿し穂作り、挿し木作業に丁度良いです。北海道では6月中旬以降の雨が続くような日に挿し木作業をすると失敗が少ないです。

本州では梅雨時期に挿し木作業を行うと気温、湿度が丁度良いのですが、北海道は乾燥していて湿度が低いため、雨の日が続くようなときが良いです。雨の日は空気中の湿度が高くなるので乾燥による失敗が少ないです。近年、北海道の夏も湿度の高い日が続くことがあります。そういう時期に挿し木作業を行うと良いでしょう。

挿し木の手順

①挿し穂を作る

今年伸びた若い枝や茎を挿し穂にします。枝や茎が固まり始めた頃に12㎝~15㎝くらいカットして挿し穂にします。新芽近くの柔らかい下葉1/3の葉は切り落とし、大きい葉は半分にカットします。芽は切らないでください。樹木の場合は3年~4年生の若い木を使用します。

挿し穂の作り方
挿し穂


point1 下葉を切り落とす理由は、成長期の葉であるため、水分や栄養分をたくさん吸ってしまい、挿し木が失敗する原因になるからです。大きい葉を半分にカットする理由は、葉から水分の蒸散を少しでも防ぐためです。光合成も必要なため、半分は残します。

②切り口をカットし直す

挿し穂の切り口をくさび状にカットします。

切り口をくさび状にカットする理由
切り口をくさび状にカット

point2 くさび状にカットする理由は、切り口から水分を吸収しやすくするためです。切り口の面積が広い方が水分が吸収し良いからです。切り口は、切り口をつぶさないようよく切れる清潔なハサミやナイフでスパっと切ります。

③水揚げする

挿し穂を水揚げします。30分~1時間ほど切り口を水に漬ける作業のことです。できれば2時間くらい漬けます。
point3 挿し穂を水に漬ける理由は、挿し穂を用土に挿す際に、茎や枝の中に空気が入らないよう、しっかりと水を吸わせるためです。しっかり水を吸わせることで挿し木後の発根率が高くなります。

④用土に挿す

挿し穂を用土に挿します。用土に水を含ませてから棒などで穴を空け、挿し穂を挿します。
point4 挿し穂を用土に挿す際、切り口を傷つけたり汚したりしないため、棒などで穴を空けます。切り口が傷ついたり汚れたりすると雑菌が入って病気になったりそのまま腐ってしまう原因になります。

草花ではよく行われる方法ですが、常緑広葉樹や落葉広葉樹なども挿し木が可能です。是非チャレンジしてみてくださいね。新芽が出た時は、かなり嬉しいですよ。

⑤挿し木後の管理

挿し木後は、できるだけ直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。植物の種類によって異なりますが、早いと1週間、遅いと1ヵ月くらい、もっと遅いものでは2ヵ月くらいで根が出ます。

発根したかどうかは、新芽が出たり勢いよく伸びているか、裏から根が見えているか、挿し穂を軽く引っ張ってみるなどして確認します。

発根が確認出来たら、日当たりの良い場所に移動して、置き肥と1週間に1回、液肥を与えて育てます。ポットに根が回ってきたら庭やプランターに定植します。

挿し木で増やせる樹木や草花

お気に入りの樹木や草花は、挿し木で増やすのがおすすめです。北海道ではアジサイ、オオデマリ、コデマリ、ツバキ、サルスベリ、リンゴ、マルベリー、アオキ、コニファー、ヒソップ、セージ、タイム、サルビア、マーガレット、ロータス、オレガノ、ゼラニウム、など、色々な樹木が挿し木できます。

kikoriのおすすめはリンゴ、セージ、タイム、ロータスです。挿し木が成功しやすく草姿も可愛く、もちろん北海道でも育てられる多年草だからです。

果樹

果樹ならリンゴがおすすめです。リンゴならアルプス乙女がおすすめです。樹高は2mと低く、広がりも小さいので、何本か植えると良いです。ピンポン玉サイズの小さなリンゴの実が可愛らしいです。酸味が強いですが、しっかりリンゴの味で食べられます。

アルプス乙女のリンゴの実
アルプス乙女のリンゴ

ハーブ

ハーブならチェリーセージがおすすめです。チェリーセージは飽き遅くまで咲いてくれるので北海道では貴重な花です。セージは赤や紫、ピンクや白などカラーバリエーションも豊富です。

グランドカバークリーピングタイムは一度苗を買ってしまえば、挿し木で増やせるのでありがたいです。挿し木は種まきよりも早く株を作ることができます。紫色の小さな花がたくさん咲き、切り戻しても平気です。ロンギカウリスとも言われます。ハーブなので香りも良いです。

耐寒性多年草

ロータス・ブリムストーンは、かなりおすすめです。花壇の手前に植えると可愛らしいです。よく育ちますがボリュームが丁度良いのでまとまりが良く、ハンギングや寄せ植えにしても可愛いと思います。丸くカットしたり、好きなようにまとめられます。

地植えのロータス・ブリムストーン
ロータス・ブリムストーン

▶▶kikoriの庭のロータス・ブリムストーン