こんにちは!kikoriです。北海道・道東で趣味のガーデニングをしています。今回は、ガーデニングの基礎⑨植え替えの必要性とコツについてお話します。
植え替えの必要性
庭植えでは、植え替えの必要がない場合も多いのですが、鉢植えは、限られたスペースなので、やがて鉢の中が根でいっぱいになります。根がいっぱいになると、どんな影響が起きるのか、植え替えの必要性とコツをお話します。
鉢植えは植え替えしながら育てるもの
ねぇねぇ、kikori。鉢植えで順調に育っていたんだけど、ある時から調子が悪くなってしまったんだ。切り戻しもしてみたんだけど、ダメなんだ。このままでは枯れそうだよ。どうして?どうしたらいいの?
あら。チャッキー。鉢植えは、基本的に植え替えが必要なものなんだよ。植え替えを繰り返しながら育てるの。なぜ、植え替えが必要なのか、植えつけ、植え替えのコツをお話するね。
水分・養分の保持
植物が成長するということは、根が伸びるということです。根が伸びると、茎も伸びて、葉も茂ってきます。そのぶん水分や養分が必要になります。
根が鉢の中でいっぱいになると、水分や養分の保持が難しくなります。土の中の有機物が微生物に分解されつくすと土も固くなり、劣化していくからです。そうなると植物は、呼吸が難しくなって、徐々に生育が衰えてきます。伸びている地上部を切り戻しても、根がいっぱいになっていたら、それ以上、成長、生育ができなくなるのです。そこで植え替えが必要になるというわけです。
ポット苗を鉢植えに植えるときの基本的な方法と、成長後の植え替えのコツをお話します。
購入したポット苗の植え付け方法
準備するもの
・苗のポットよりひとまわり大きな鉢
・鉢底ネット(不要な鉢もある)
・軽石(不要な鉢もある)
・基本用土(赤玉土7:腐葉土3)
・元肥(ひとつかみ)の緩効性化成肥料
・草花のポット苗
point 植え付けのバランスは植物を順調に育成させるため、非常に重要です。ポット苗よりひとまわり大きな鉢が大きすぎず、小さすぎないのでベストです。大きすぎると通水性や排水性が悪く根腐れの原因になり、小さすぎると、すぐに土の中が根でいっぱいになってしまいます。
植え替えの手順
①準備した鉢に鉢底ネット、鉢底石の順に入れます。鉢底石は鉢の深さの1/5程度まで入れます。
②基本用土と元肥を混ぜ合わせた土を、鉢底石が隠れるくらいの高さまで入れます。
③草花のポット苗をポットのまま仮置きしてみます。ウオータースペースができていればOKです。
ウオータースペース・・・鉢の上(縁)から2センチ~3センチほど下がっている空間のこと。鉢の上ギリギリまで土が入っていると、水やりの時に土が流れ出てしまうので、ウオータースペースは必ず空けておきます。種から育ててポリポットへ移植する際は、1㎝程度、空いていれば良いです。
④苗をポットから丁寧に取り出して設置し、周りに土を足していきます。
注意 土を足したら、土を丁寧に指で押さえて苗と密着させます。これをしないと、水やりで土が下がり、土が下がったところに水がたまり、枯れる原因になることがあります。また、土がゆるいままだと水分が蒸散しやすいので、しっかり土を締めておきましょう。
⑤植え付けが完了したら鉢底からあふれ出るくらい、たっぷりと水やりしておきましょう。しっかり根付くまでの約1週間、毎日水やりを忘れずに。
根を崩すか崩さないか
苗を買って植えようと思ったら、根がパンパンだったんだ。この根は崩してから植えた方がいいのかな?それともそのまま植えるの?
根を崩した方が良い場合とそのままが良い場合があるよ。
植物が苦しそうだから、崩してあげたいところだけど、そうじゃない場合もあるんだニャ!
そうだね。判断の方法をお話しするね。
ひげ根か直根かで判断する
植物は、大きく分けてひげ根性と直根性があります。どちらの植物も根の周りに生える細根から栄養を吸収し、保持しています。
ひげ根・・・パンジー、ビオラ、サルビアなど
直根・・・大根、スイトピー、ルピナス、タンポポなど
根を崩して良い=ひげ根性
どちらかというと植え替えに強いのはひげ根性の植物です。植物は細根からしか栄養を吸収、保持することができないのですが、ひげ根性は、細根が多いです。細根が多いということは、栄養を吸収し保持する力が高いということです。
なので植え替や植え付けの時に、少しくらい根を崩しても大丈夫です。根詰まりしているようならむしろ、ほぐしてあげた方が、細根がよく伸びます。
ポットの中で根があまりにもパンパンになって固まっているような場合は、根をほぐしてから植え付けます。手で根の底の中心あたりから両親指で広げるようにし、下1㎝ほど根をほぐしてから植え付けます。
植木鉢やポットの中が細根でいっぱいになっている状態は、俗にいう根詰まりです。ハサミで3、4か所、切り込みを入れるだけでも良いです。
根を崩さない=直根性
直根性の植物は植え替えに弱いです。太い根が一本長く伸び、この根は苗を支える役割をしています。太い根の周りに細根があるのですが、直根性の植物には細根が少ないため、栄養を吸収、保持する力が低いのです。
なので直根性の植物は、根をほぐさないように植え付け、植え替えするのが基本です。また、ポットから取り出すときに土や根が崩れないように気を付けて植えてください。周りの土を払ってしまうと、すぐにしおれてしまいます。また、植え付けや植え替えのときに細根が千切れたり、傷つけたりすると弱りやすいです。
マメ科の植物(クローバー、スイトピー、ルピナス)、ケイトウ、ポピー、矢車菊、スーパーアリッサムなども直根性で植え替えに弱いです。根がパンパンに回っていても、ほぐしたりせずに植え付けます。移植の際には、できるだけ大きなスコップでかなり広めに土ごと掘り上げます。
この他、つぼみの付いた苗や球根苗、実付きの苗、コニファー類なども植え替えに弱いので、できるだけ土と根を崩さないように掘り起こして植え付け、植え替えをしましょう。
分からない時は、苗に付いているネームタグを見てみましょう。「移植を嫌う」と書いてあったら細根が出にくい、直根性の植物の可能性があります。
kikoriは、実はルピナスを何度も植え替えしていますが、問題ありません。植え替え後は株がシャキッとするまで毎日、朝夕たっぷりの水やりを欠かさない、日陰に置くなど工夫しています。
kikoriのように案外大丈夫な場合や植物も多いものです。あくまでも基本的な知識として知っておくことで対応できるようになります。
植え替えの時期
1年~2年で植え替えが基本
鉢植えは、植物と鉢のサイズのバランスを保つため、どうしても1年~2年経過すると土の中が根でいっぱいになってしまいます。見た目で分からない場合は、1年~2年経過した頃、一度鉢から取り出してチェックしてみてください。
植え替えの適期
植え替えの適切な時期は、植物によって異なります。成長期に植え替える植物、休眠期に植え替える植物があります。以下は目安です。
耐寒性多年草・・・北海道では春に花が咲くタイプは10月頃。初夏~秋に花が咲くタイプは4月頃。
非耐寒性多年草・・・北海道では5月~6月頃。秋なら10月頃。
観葉植物・・・暖かくなってきた頃。北海道では6月中旬以降。
常緑樹・・・北海道では春なら4月~5月上旬頃。秋なら10月頃。
落葉樹・・・北海道は真夏と真冬以外。
ゼラニウムの植え替え
北海道ではゼラニウムを鉢植えで育てている方も多く見られます。ここではゼラニウムの植え替え方法をお話しますね。
準備するもの
・現在の鉢植え(ゼラニウム)
・現在の鉢よりひとまわり大きな鉢
・鉢底ネット(不要な鉢もある)
・軽石(不要な鉢もある)
・基本用土(赤玉土7:腐葉土3)
・元肥(ひとつかみ)の緩効性化成肥料
植え替えの手順
ゼラニウムは、非耐寒性多年草なので植え替えの時期は5月~6月頃か10月頃です。
①最初に黒くなっているところは根腐れを起こしているのでハサミで切り取ってください。
②ゼラニウムは根を崩して良いひげ根性の植物なので、ハサミで底の根を1/3ほど崩してください。
③側面の固くなっている場所にも2,3ヵ所、1/3ほど切り込みを入れてほぐすように一回りさせます。
④新しい鉢に仮置きしてみます。ウオータースペースができていればOKです。周りに土を足していきます。
⑤葉が付いている部分を1/3~1/2切り詰め、切り戻しを行います。
⑥鉢底からあふれ出るくらい、たっぷりと水やりしておきましょう。しっかり根付くまでの約1週間、毎日水やりを忘れずに。その後は乾いてからたっぷりと。
point 鉢から抜けない場合は、植物の株元を持ち、逆さにして鉢の縁を少し叩いてあげると抜けることが多いです。
ちなみにゼラニウムは3年ほどすると株が劣化してきます。3年くらい経ったら、挿し木で株を更新してあげると良いです。
古い土の再生とリサイクル
庭植えでは、古い土はそのまま庭に返してあげれば、そのうち再生しますが、鉢植えの場合や、アパート、マンションでは古い土を捨てるのに苦労することがあります。そんな時は、土の再生やリサイクルをしましょう。
準備するもの
・新聞紙やビニールシート
・8mmのふるい(なくても可)
・1.5㎜~2㎜のふるい(なくても可)
・石灰(なくても可)
・黒いポリ袋(なくても可)
・土の再生材(微生物由来のもの)
丁寧な再生、リサイクル
①新聞紙やビニールシートを広げます。
②古い土を8㎜ ➡ 1.5mm(または2mm)のふるいにかけてゴミを取り除きます。
③古い土は酸性に傾いているので、10リットルの用土に対して大さじ2杯の石灰をよく混ぜます。
④湿り気が出る程度の水を注ぎます。
⑤黒いポリ袋に入れて口を縛り、約1ヵ月、直射日光に当てて殺菌します。
⑥取り出したら乾燥させる。
⑦土の再生材を混ぜる
一般的な土の再生材は、配合されている微生物の数が少なかったり、あるいは微生物を呼び込むための素材であったりするため、土の再生に時間がかかります。
簡単な再生、リサイクル
①新聞紙やビニールシートを広げます。
②古い土を8㎜ ➡ 1.5mm(または2mm)のふるいにかけてゴミを取り除きます。
③土の再生材「微生物がたくさん入っている再生材」を混ぜる
微生物がたくさん入っている再生材を使うと、ふるいにかける作業すら飛ばせます。ガーデニングスペースが狭い方や、すぐに土を再生させたい方は、出来るだけ多くの微生物が配合されている再生材を使うことで早く再生、リサイクルすることができます。