②基本用土のカスタマイズ

kikori
kikori

こんにちは!kikoriです。北海道・道東で趣味のガーデニングをしています。今回は、ガーデニングの基礎②基本用土のカスタマイズについてお話しますね!

カスタマイズの必要性

基本用土は、環境によってはカスタマイズした方が良い場合があります。また、植物をより元気に育てるために、カスタマイズはおすすめです。

基本用土で不都合があるとき

  • 土を軽くしたい
    マンションやアパートのベランダ、大きな鉢で持ち運ぶことができない場合、重たい土を運ぶのが大変な方、ハンギングバスケットのように吊り下げて使う鉢、屋上緑化などは、軽い土が使い勝手が良いので基本用土を軽い土にカスタマイズするのがおすすめです。
  • 土が乾きやすい
    1日中良く日の当たる場所や、風通しの良い場所、砂質の土壌改良、種まきでは、基本用土を保水性の高い土にカスタマイズするのがおすすめです。
  • 鉢置き場が半日陰
    あまり日の当たらない場所に鉢を置く場合には、基本用土を排水性に特化するようカスタマイズすると良いでしょう。

土壌改良剤を混ぜる

基本用土で使う赤玉土、腐葉土の他に、土壌改良剤を使います。土壌改良剤にはパーライト、バーミキュライト、ピートモスなどが代表的です。

土壌改良材は、それぞれ同じような特徴を持っているので、どれをどう使えば良いのか混乱してしまいそうですが、「1番の特徴は何か」に重点を置いて考えると、それぞれの最も良い使い方が見えてきますよ。

土を軽くしたい場合

パーライト

土を軽くする、重くしたくない場合は、パーライトがおすすめです。基本用土にパーライトを混ぜて土を軽くしてみましょう。

パーライトの1番の特徴は、とても軽いことです。

パーライトには小さな孔がいくつも開いています。この孔が多い素材を「多孔質たこうしつ」と言い、その孔には空気がたくさん含まれます。空気の多い場所には目に見えない微生物がたくさん住み着き、土壌を良くしてくれる効果も期待できます。

マメ知識 パーライト自体のPHは7.5~8.5で弱アルカリ性ですが、基本用土は弱酸性~中性です。日本の雨のPHは5.0程度の弱酸性です。アルカリ性の物質と酸性の物質が混ざる事で中和され、PHは中性寄りになり、パーライトを使用しても、ほとんどの植物は問題なく育てることができます。

土を軽くしたい場合は基本用土に1割~2割程度、混ぜてみてくださいね。

パーライトには2種類ある

ガーデニングでよく使われるパーライトは2種類あります。黒曜岩真珠岩です。どちらも高温、高圧で焼成した人工発泡剤です。黒曜岩と真珠岩は性質が異なるので、状況によって使い分けるようにしてくださいね。

黒曜岩・・・通気性、排水性に優れ、保温、断熱効果があります。グレーで表面には光沢があります。水はけの悪い粘土質の土壌改良に効果があります。根の発育不良を改善したり、根腐れ防止にも効果があるので、多肉植物やサボテンに向いています。

真珠岩・・・保水性、保肥力に優れ、保温、断熱効果があります。純白で表面がザラザラしています。一般的によく見かけるパーライトは真珠岩タイプです。軽量化をしつつ、水もち良く、肥料が流れ出にくい性質があるので、吊り下げハンギングにピッタリの土壌改良剤と言えるでしょう!基本用土に1割~2割程度混ぜましょう。

吊り下げハンギング
ハンギングバスケット

乾きやすい場所・種まき

バーミキュライト

乾きやすい場所や種まきには、バーミキュライトがおすすめです。基本用土にバーミキュライトを混ぜて土の保水性をアップさせてみましょう。用途に合わせて2割~3割くらいを基本用土に混ぜましょう。

バーミキュライトの1番の特徴は水性にとても優れていることです。屋外の風通しの良い場所、砂質の土壌、ベランダなどの乾きやすい場所におすすめです。

保水性に加えて、無菌で清潔なので種まきや挿し木、育苗の時に有効です。挿し木や種、小さな苗は乾燥や細菌に弱いのでバーミキュライトを使うと管理しやすいですね。

バーミキュライトで挿し木
挿し木

注意 バーミキュライトは高熱で蛭石(ひるいし)を加熱処理してあるので、最初は無菌ですが、あとから菌や虫は付きます。あくまでも無菌なのは最初だけなので、種まきや挿し木のときには新しいものを使うようにしましょう!

さらに、バーミキュライトには、植物の栄養(肥料)となるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを保持する保肥性が高いので、日常の水やりで肥料が流れ出やすいプランターに最適です。

断熱性にも優れているので、夏の暑さ、冬の寒さが根に伝わりづらいので根に優しいです。

PHは、6.0~7.0で弱酸性~中性なので、ほとんどの植物を問題なく育てることができます。

酸性を好む植物

ピートモス

ピートモスの1番の特徴は、強い酸性の性質であることです。ピートモスは、PH3.0~4.0の強い酸性なのでピートモスを使うと土壌のPHが酸性寄りになります。

酸性寄りになるのでピートモスは、酸性土壌を好むブルーベリーなどを植えるのに適しています。また、アルカリ性の土壌を中和するのにも適しています。北海道でもブルーベリーは育ちます。

ピートモスは、湿地の水苔が腐植化したもので、繊維質が豊富な有機物です。土の中で不完全分解した状態で、主にフミン酸などの酸性の腐植酸を多く含んでいます。腐植酸は、土の団粒化を促してくれるので根の成長促進剤になります。

注意 ピートモスにはPH無調整(PH3.0~4.0)とPH調整済(PH6.0)があります。

ピートモスもバーミキュライト同様、保水性に優れているので、乾きやすい場所にはPH調整済のピートモスがおすすめです。

point 基本用土にピートモスを混ぜるときは、まずピートモスに十分に水分を吸収させることを忘れずに。混ぜる量は2割~3割、ブルーベリーなど酸性を好む植物によっては5割程度まで混ぜても問題ありません。

kikori
kikori

ブルーベリーの他にも、ツツジ、リンドウ、アジサイ、スズラン、山野草などが酸性土壌を好みます。

酸性土壌の中和

燻炭

くんたん、もみがら燻炭くんたんとも言います。もみ殻を蒸し焼きにして炭にしたものです。

燻炭は、アルカリ性の性質なので、酸性に傾きすぎた土壌を中和する効果があります。石灰ほどアルカリ成分が多くないので、植物を傷めづらく、混ぜた後すぐに植物を植え付けられます。混ぜるのは1割程度にしておくと良いでしょう。

燻炭の元となっているもみ殻は、主成分がケイ素であるため、燻炭の約50%はケイ素です。ケイ素は植物にとって必須元素ではありませんが、環境耐性、成長促進の効果があります。(有用元素)

この他にも、植物の必須元素である、銅・マンガン・カリウム・鉄などのミネラルが多く含まれています。もみ殻を燻炭化することで、これらのミネラルが溶け出しやすくなり、植物の栄養補給剤となります。

必須元素は16種類
①窒素②リン③カリウム④カルシウム⑤鉄⑥銅⑦マンガン⑧酸素⑨水素⑩炭素⑪マグネシウム⑫硫黄⑬ホウ素⑭亜鉛⑮モリブデ⑯塩素

多孔性なので、微生物が住みやすく、保水性が高く、なおかつ透水性も良く、必須元素を含んでいるので、土壌改良剤としてはもちろん、多くの植物の育苗にも使えます。とても使い勝手の良い土壌改良剤です。

半日陰の鉢置き場

排水性をアップさせる

鉢置き場が半日陰になる場合には、真砂土山砂川砂軽石等がおすすめです。

砂や軽石の1番の特徴は、排水性に優れていることです。軽石は通気性にも優れいます。基本用土に1割~2割程、混ぜてみてください。

ちなみに軽石は土の温度が上がりにくいので真夏の日向で使う事もできます。

kikori
kikori

水分を多く含んだ土は、寒冷地では冬に土ごと凍ってしまいますから、基本用土をカスタマイズして排水性をアップしましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
ガーデニングの基礎